資生堂が中国強化 主力ブランド刷新へ

資生堂が中国強化 主力ブランド刷新へ

資生堂が中国の主力ブランドを刷新。豪華イベント開催など、日本並みの派手な宣伝を打つ背景とは。

資生堂が北京でド派手なイベントを開催した。

同社は4月に、中国での主力ブランド「オプレ」を発売以来初めて全面刷新する。それを盛り上げるイベントを北京で開催、会場には2000人近い会員が詰めかけた。新オプレのテーマ曲を歌う人気男性デュオや、イメージモデルに抜擢された人気女優らによるライブは2時間に及び、会場は熱気に包まれた。

「中国は資生堂にとって、まさに成長のシンボルだ」。資生堂の高森竜臣・中国事業部長は胸を張る。だが、その豪華さの裏側には、資生堂が抱く危機感も垣間見える。

オプレは1994年、中国市場に投入された。「資生堂」の名を冠さない中国専用のブランドだ。現在、デパートカウンター720店を展開し、「国民的ブランド」と呼ばれるほどになった。しかし、90年代後半から仏ロレアルや米P&Gなど欧米系化粧品会社が次々と中国に参入、シェア争いが激化している。外資系企業は次々と地元資本の有力ブランドを買収、シェアを一気に拡大させた。

欧米系の攻勢で陳腐化

「どこの国でも輸入品に対するあこがれは強い。現地生産・中国専用ブランドであるがゆえのハンデがある」(高森氏)。オプレの1店舗当たり売上高伸び率は急減速。ブランドイメージは徐々に陳腐化した。中国現地でも多チャネル化、多ブランド化を進めているが、オプレは中国事業を象徴する主力ブランド。早急にテコ入れしなければ、全体への悪影響も予想された。

今回の刷新では全店のカウンターを全面改装。3年後までにカウンター数をさらに30カ所増やす。販売員には日本流の接客方法を徹底的に教育、欧米系企業との差別化も図る。宣伝戦略には資生堂が得意とするキャンペーン手法を採用。テレビや雑誌、屋外交通広告をフル活用したメディアミックスで挑む。

中国事業の売上高は現在610億円。3年後に1000億円超を実現したい考えだ。「今回のイノベーションでアジア発の化粧品会社としての優位性を発揮できる」と高森氏は自信を見せる。

盤石の日本国内とは違い、海外では欧米企業を追う立場の資生堂。中国市場での今後の戦いぶりは、世界でトップ企業と互角に渡り合うための試金石となりそうだ。
(佐藤未来記者 =週刊東洋経済3月15日号)

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