全国の京急「ウソ電」、知らぬ間にリアルに変貌 人知れずリニューアルして日本各地で活躍

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航空旅客の急減は京急の空港線を直撃。同社の月次営業成績によると、羽田空港第1・第2ターミナル駅の輸送人員は2020年1月まで300万人を超えることがあったにもかかわらず、5月には前年同月比75%減の74万人まで落ち込んだ。月90万人台で推移していた第3ターミナル駅も、5月には80%減の18万人を記録している。

厳しい状況が続く空港駅

京急線全体の通勤・通学利用は6月以降持ち直しの動きが見られたものの、空港2駅は厳しい状況が継続。同社が8月7日に発表した2020年4~6月期の連結決算で、鉄道事業の営業損益は55億円の赤字(前年同期は47億円の黒字)に陥った。

空港線の車内や都内のホテルからは、大きなスーツケースを携えた外国人観光客の姿が消えた。羽田空港を利用する日本人の海外旅行者も当面の間、回復が見込めそうにない。半面、注目が高まっているのが国内旅行だ。

なにかと話題の「GoToトラベルキャンペーン」などを追い風に、国内線には旅客が戻ってきている。東京発着の旅行が割引対象になって1カ月。多くの地方からの旅行者が地元を走るラッピング車両をきっかけに京急空港線に親しみを感じて利用するようになれば、3年前から各地で種をまいてきた努力が実を結ぶことになりそうだ。

橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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