男性フリーアナが「MC以外」で活躍できない理由 一方、「局アナ道」を体現する安住紳一郎の凄み

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男性アナのほうにも、キャラクター志向が目立つようになってきた。写真は現在フリーアナウンサーの羽鳥慎一さん(左)と西尾由佳理さん(写真:ロイター/アフロ、2015年)

「アナウンサー」というと、女性アナウンサー、いわゆる「女子アナ」に世間の目は集まりがちだ。しかし男性アナウンサーの世界も十分面白く、奥が深い。そしてつねに変化もしている。そういうわけで、いま男性アナの世界はどうなっているのか、探ってみたい。

男性アナにもキャラクター化の波が来ている

最近、男性アナにも本業以外の個性の部分で人気を得るキャラクター志向が目立つようになってきた。キャラクター化の流れは、女性アナのほうが先行していたと言える。とりわけ近年は、大食いをきっかけにブレークしたミトちゃんこと日本テレビ・水卜麻美や自然体の“毒舌”で注目されたテレビ朝日・弘中綾香など、キャラの立った女性アナが人気を集めるようになっている。

だが男性アナのほうにも、そんなキャラクター化の波がいま起こり始めている。

例えば、フジテレビ・榎並大二郎の筋肉キャラなどはそうだろう。高校、大学と水泳部で鍛えた土台に筋トレが加わり、見事な肉体美を誇る。昨年の『FNS27時間テレビ』はスポーツがテーマ。番組公式のSNSに、榎並アナは水泳、ボクシング、ウェートリフティングなどさまざまなスポーツのユニフォーム姿で登場し、惜しげもなくその筋肉美を披露した。そんな肉体派のイメージと、番組などで時に見せる涙もろさとのギャップがまた魅力を増してもいる。

テレビ東京・中垣正太郎は、抜群の歌唱力で話題になった。同局のバラエティー番組『内村のツボる動画』の「歌うま動画」のコーナーに登場した中垣アナは「You Raise Me Up」を朗々とした美声で歌い上げ、MCのウッチャンに「神の声」「日本のスーザン・ボイル」と絶賛され、SNSでもかなりの反響が巻き起こった。その後もたびたび同番組に登場し、同僚の田中瞳アナとのデュエットでKing Gnuの「白日」を歌った動画はなんと449万回を超える視聴回数を記録している(2020年10月23日現在)。

日本テレビに在籍し、この10月からフリーになった青木源太の超の付くほどのジャニーズ好きも有名だろう。時には本人を引かせるほどのジャニーズメンバーに関する博識ぶりと熱いジャニーズ愛は他の追随を許さず、ジャニーズファンでさえも一目置くほどのものだ。MCを務めていた日本テレビの情報番組『バゲット』でも、ジャニーズのタレントがゲストで来るたびにマニアックな質問と解説で周囲をたじたじとさせていた。

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