教育費が足りない家庭が実行すべき3つの計画 JKが解説「20代は年金を払うと大損するのか」

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以下は、花実が所属する「生活科学クラブ」の顧問・エマ先生から花実へのアドバイスだ。

FPエマ先生からのアドバイス

やれやれ。ハナミったら。でもよくお姉さんに説明できたわね。確かに、大家族で暮らしていた昔と違って、今は公的年金保険制度があります。保険料を支払うことで、親の老後を以前よりも心配することなく、自分の生活を送ることができます。自分が歳を取ったときのことを考えてみても、子供に過度な負担をかけなくてすむので安心ですね。これを可能にしているのが、「世代間扶助」の仕組みです。現役世代の支払う保険料で、受給世代の年金給付を仕送りするイメージです。「賦課(ふか)方式」といいます。

そして、ハナミの言うとおり、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金は、給付の2分の1が国庫負担(主に消費税)で賄われています。これによって、保険料に国庫負担を加えた給付を受け取ることができます。つまり、保険料を支払わないということは、この国庫負担による給付も受け取ることができないということ。とっても損ですね。

公的年金の主な給付は次のようになっています。

(図表:各種資料から筆者作成)

なお、自営業者などは国民年金から支給され、会社員や公務員は厚生年金からも支給されます。受給には、それぞれの要件を満たす必要があります。 

どうしても保険料が支払えないときは、国民年金の保険料の納付が免除される制度があります。所得に応じて、全額免除、4分の1、2分の1、4分の3免除があります。免除が認められれば、老後は年金のうち税金分は受け取ることができます。

学生で本人の前年所得が一定額以下の場合、保険料の納付が猶予される学生納付特例制度は、免除とは異なり、後から保険料を納めること(追納)が前提になっていますので、追納しなければ老後の年金を受け取ることはできません。

次回は8月2日掲載の予定です。

岩城 みずほ ファイナンシャルプランナー・CFPⓇ

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いわき・みずほ / Mizuho Iwaki

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、お客様の利益を最大限に、中立的な立場でのコンサルティングほか、講演、執筆を行っている。
慶応義塾大学卒。NHK松山放送局を経て、フリーアナウンサーとして14年間活動後、会社員を経てFPとして独立。著書に増補改訂版『人生にお金はいくら必要か』(山崎元氏と共著・東洋経済新報社)、『やってはいけない!老後の資産運用』(ビジネス社)、『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版社)、『結局、老後2000万円問題ってどうなったんですか?』(サンマーク出版)ほか多数。HP

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