東証「アローヘッド」始動で売買動向に微妙な変化、ネットトレーダーは受難の時代?

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 蛇足だが、システムの容量増大を受け、日経平均やTOPIXの更新間隔が1分から15秒に短縮された。新システムはNTTデータが事実上の監督役となり、富士通が手足となって製作した。今後、大規模なシステム障害が発生した場合は、両社株の売り材料になるリスクがある。

任天堂、ローム、村田製 「ダブル上場」が狙い目か?

新システム導入で注目なのは、任天堂やロームなど大証の大型株。いずれも機関投資家好みの国際優良株で東証とダブル上場しているが、売買高は今のところ大証のほうが多い。

ところが、新システムの導入を機に、機関投資家は任天堂株などの発注先を、中小証券ディーラーに割り込まれない東証に移す可能性が高い。新規上場が減り、市場活性化策が手詰まり状態にある東証にとって、時価総額が数十億円単位のマザーズ銘柄を一つひとつ発掘していくより、1兆円企業の任天堂のような銘柄を大証から奪い取るほうが手っ取り早い。事実、東証は「重複上場銘柄については取りに行くというのがコンセプト」(深山浩永常務)と戦闘意欲を隠さない。

大証の出来高が多い重複上場銘柄は、任天堂やロームのほか、村田製作所や住友林業、青山商事などがある。こうした大型株の主戦場が東証に移れば、日経平均の構成銘柄に採用される可能性が高い。日経平均採用となれば、ETF(株価指数連動型投資信託)やインデックス型のオープン投信の買い付けで株価が急騰するのは必至だ。日経平均採用の判定には直近5年の売買高などを使うため、今すぐ225銘柄入りということはないが、長期投資家にとって楽しみが一つ増えそうだ。

(オール投資)

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