日本の女子高生が「中国コスメ」にハマる理由 現地では新興ブランドが続々登場している

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こういったマーケティングや商品開発にはビッグデータが活用される。データを活用して傾向や対象を絞ったり、次の商品の構想を練ることは海外ブランドも起こっていることだ。

一方で中国メーカーは、消費者とのコミュニケーションもより重視している。「完美日記」はおよそ1000人いる従業員の平均年齢は24歳だ。ターゲット層とコンテンツ制作を行うチームが同年代であり、消費者が求める物を熟知している。またメイクアップ製品が人気の「花西子」は販売前のABテストから販売後まで消費者へのアンケートを回し続け、消費者の声に沿って短期間のうちに製品を改良して発売している。

日本でも「チャイナコスメ」を販売

物と情報が溢れるオンラインでファンの心を繋ぎ、さらにファンの心を理解して改善しつづける中国の化粧品は、品質からパッケージデザイン、コンテンツに至るまで洗練されたものが多い。

その製品力は海を越えて話題となっている。中国でも人気の高いコスメブランドの「ZEESEA(ズーシー)」は日本のプラザ(PLAZA)で展開を開始し、大きな話題となった。今後も中国化粧品の上陸は続く気配がある。

長引く新型コロナでインバウンドやトラベルリテールの売り上げ回復が見込めない今、日本の企業にとっては中国市場、国内市場ともに注力したいところだ。その市場をじわじわと食っている中国メーカーは、もはや見過ごすことのできない存在である。

臼井 杏奈 美容業界ライター

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うすい あんな / Anna Usui

青山学院大卒後、産経新聞社に入社しスポーツ記者に。その後INFASパブリケーションズに入社し、WWDJAPANを経てWWD BEAUTYに所属。美容業界記者として外資系ブランド担当およびビューティーテック、アジア市場、スタートアップ、新興市場などを担当。現在はフリーランスとして活動。

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