子供の教育より、自分の勉強を優先せよ 30代「当たり前の幸せ」のリアル【教育とおカネ】編

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親が勉強する姿を見せるのが、いちばんの教育

最後に、僕が「教育投資は自分を優先すべき」と考える、もうひとつの理由をご説明します。僕は、親自身が日々勉強している姿を子供に見せることが、何よりの教育なのではないかと考えています。

あくまで個人的な印象なのですが、知り合いのご家庭などを見ていると、お医者さんや弁護士さんなど、いわゆるプロフェッショナルと呼ばれる職業に就かれている人のお子さんには、勉強ができる子が多いように感じています(もちろん例外もたくさんあり、会社員や自営業者のお子さんにも優秀な子がたくさんいるのは承知しています)。

お医者さんにしても、弁護士さんにしても、難しい試験をパスされて資格を取得されているので、もともと親御さん自身が優秀で、その遺伝子を受け継いでいるから、お子さんも勉強ができるという側面もあるとは思います。しかし、それ以上に、親御さんの家での姿勢が重要なのではないかと思うのです。

お医者さんの場合、治療法は日進月歩なので、自ら研鑽を積んで知識をアップデートしていかなければいけません。弁護士さんの場合も同様で、法律はどんどん変化するので、日常業務をこなしながらも、自ら勉強して変化に対応しなくては商売になりません。そのため、これらプロフェッショナルな仕事につかれている人たちは、家に帰ってからも、日々、勉強を欠かさないのです。

家に帰ってからも机に向かい、日々、勉強を重ねている。そんな親の姿を見ていれば、子供も自ら勉強することに興味を抱きやすくなるのではないかと思うのです。

一方、家ではまったく勉強するそぶりを見せない親御さんの場合、子供からしてみれば、自分たちにばかり「勉強しろ! 勉強しろ!」と理不尽なことを言う、ウザったい存在に見えてしまっても仕方ありません。

もちろん、ストレスの多い会社から帰ってきたら、リラックスしたいのもわかりますし、それがいけないという気は毛頭ありません。ただ、家で自分自身のスキルアップにつながる勉強をすれば、それを見た子供にもいい影響が出るのではないかと言いたいのです。

年功序列で、スキルや能力が上がらなくても給料が増えた親世代の時代とは違い、今はもう同一の仕事に対する報酬は同一なのが当たり前の時代です。

どんな仕事についていたとしても、日々、上を目指して努力を重ねなくてはいけないのですから、お子さんのいいお手本になるという意味でも、家で勉強するのは一石二鳥なのではと思うのですが、いかがでしょうか?

小屋 洋一 ファイナンシャルプランナー

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こや よういち / Yoichi Koya

1977年宮崎県生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、総合リース会社に就職。会社員時代に数多くの経営者と触れ合い、起業家を目指すようになる。2004年から不動産ベンチャーにて不動産投資実務についても研究。そのため、金融資産だけでなく不動産運用にも精通する。

2008年、個人のファイナンシャルリテラシーの向上をミッションとした株式会社マネーライフプランニングを設立。現在は個人を中心にライフプラン・コンサルティング業務を行う。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員、CFP、宅地建物取引主任者。

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