アイス好きな人に知ってほしい「売れ筋」のキモ トップ3商品は定番、自粛下での売れ行きは?

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ただし、その伸びも鈍化している。

別の調査結果も紹介しよう。アイスクリームプレス社が5月22日に発表した速報値で、2019年度の全体販売実績は「4940億円」(対前年比98.6%)と大台を割り込んだ。いずれにせよ約5000億円の市場規模と認識したい。

以前とは異なり、冬に楽しむ「冬アイス」の効果も大きく、データによっては「夏アイス65%:冬アイス35%」(夏アイスは定番商品+春夏向け商品、冬アイスは定番商品+秋冬向け商品が中心)の割合ともなり、冬アイスの売り上げが高まっている。

だが2019年は、稼ぎ時の7月が記録的な冷夏で過去最大の落ち込みとなり、年間の数字は伸び悩んだ。必ずしも盛夏商品でなくなったとはいえ、やはり最盛期の夏が長雨や低温では伸び悩むのだ。ちなみに昨年7月は、清涼飲料全体でも「対前年比81%」だった。

「売り上げトップ10」は何か

ブランド別の売り上げでは、「エッセルスーパーカップ」「パピコ」「ジャンボモナカ」(メーカーでは「ジャンボグループ」と呼ぶ)の順となった。上位の顔ぶれは、ほとんど変わらない。

なお、これらは単品ブランドのランキングで、別枠では、シリーズ全体の売上高で500億円を超える「ハーゲンダッツ」(ハーゲンダッツ ジャパン)がある。

興味深いのは、大半がロングセラーブランドであること。

首位の「明治 エッセルスーパーカップ」は1994年の誕生。今年で26年となる。発売時は当時の「150ミリリットルで100円」のアイスの常識を破ろうと「200ミリリットルで100円」にした。濃厚で量も多い商品にするため、「乳脂肪ではなく植物性脂肪13%と卵黄脂肪で旨みを出した」(同社)。今でも大容量のお得感を訴求し続けている。現在のメーカー希望小売価格は140円(税別)だが、価格改定後も消費者の支持は高い。

さらに「明治 エッセルスーパーカップ Sweet’s」シリーズ(分量は172ミリリットル、メーカー希望小売価格は220円+税)では、定番フレーバーの「苺ショートケーキ」に加え、さまざまなシーズンフレーバーを展開。シリーズ名のとおり、スイーツを意識した商品で、これらも売り上げ拡大に貢献している。

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