「コロナ軽症者に1万床」日本財団が動いた背景 所有する施設を一時滞在施設で提供へ

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日本財団は「一つの地球に生きる、一つの家族として。人の痛みや苦しみを誰もが共にし、『みんなが、みんなを支える社会』をめざす」(HPより)を活動理念として掲げている。子供たち、障がい者、災害復興、難病など、いわゆる弱者への支援を中心に行っている。その一環がパラリンピックのサポート事業であり、パラアリーナ建設、パラアスリート支援だった。

今回の施設提供では建設費のほかにも医師、看護師の給料、食事その他、必要とされる経費について日本財団が全額負担する。

日本財団は、HPによると国土交通大臣が指定する船舶等振興機関として、全国の地方自治体が主催するボートレースの売上金から75%の配当金を引いた残りの25%のうち、約2.9%を交付金として受け入れ、国内外の公益事業を実施している団体への事業支援を行っている。売り上げ1.5兆円といわれるので、100億円程度の交付金がある。その財源を活用するという決断だった。

走りながら考えて即断即決で

なにより「緊急時はスピード、スピードが大切です。東日本大震災、熊本地震でも対策本部を現地に立ちあげ、熊本は1日で立ち上げた。走りながら考えて即断即決で考えてやっていく、そうした経験をしてきているので、今回の意思決定、発表までの時間は2日半だった」と笹川会長は話した。

政府は新型コロナウイルスの感染拡大に備える改正特別措置法に基づいて緊急事態宣言を7日にも出す予定だ。同時に、緊急経済対策にも言及している。

緊急事態宣言の対象地域である東京都の小池百合子都知事をはじめ、地方自治体首長は政府の判断を待ってきた。特別措置法では「自粛要請」に法的根拠ができるということだが、今までの「自粛要請」に国民の多くは従って我慢している。

一部従っていない人たちが批判されているが、特措法でも強制力や罰則規定はないので、今までと大きく変わりない。イベント開催や建物の出入りを「強制」でやめさせることはできるが、「補償」がセットでなければ、倒産企業、失業者、生活困窮者が増えるだけだ。特措法には補償は盛り込まれていない。

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