「地味」なドロップボックスが人気化した理由

“本当の便利”は、まだまだ見つかっていない

いまや当たり前になったドロップボックスだが、そもそもなぜブレークしたのか?(写真:ロイター/アフロ)

ドリュー・ハウストンが、インターネット上のストレージを提供するドロップボックスのアイデアを思いついたのは、「クラウド」という言葉がはやるずっと以前、2007年のことだった。

コンピュータの保存容量をオーバーし、いつもUSBドライブを持ち歩くのにうんざりしていたハウストンは、クラウド空間にストレージを設ければ、みんなも楽になるはずだと考えた。ただ、一般人はクラウドという言葉を聞いたのはずっと後になってからだが、エンジニアたちの間ではクラウド・ストレージはすでに知られたもので、同じようなサービスを提供する会社は山とあったのだ。

そこに参入したドロップボックスの違いは、どんなデバイスからもクラウドにアクセスでき、ファイルに加えた変更がどのデバイスでも同時にアップデートされ、そしてクラウド上のファイルを友人や仕事仲間と共有できることだった。そうしたことを実にスムーズに、まるで魔法のように可能にしたのだ。

今ある便利は、本当に便利?

ここに面白いポイントがある。インターネット・ユーザーであるわれわれは、テクノロジーによってずいぶんたくさんの便利を享受するようになったと喜んでいる。USBドライブも、実はそんな便利さを提供してくれるテクノロジーのひとつだった。コンピュータがいっぱいになったら、USBドライブや外付けのハードドライブを使えば済む。何と便利なことか。

だが、本当はもっと進んだ便利さが、まだまだ発見されないままに待っているのだ。ドロップボックスがやったのは、まさにその未発見の便利さを見いだしたことだった。

こんなことで満足しているけれど、テクノロジーの可能性はまだまだある。ほら、こんなこともできるんですよと、それをかなり高いレベルで実際に見せることができたのが、ドロップボックスがほかのサービスに勝った理由だ。スマートフォンやタブレットなどのモバイル・デバイスがどんどん広まる波に乗っていけたのも、とてもラッキーなことだった。

次ページ地味なサービス、かつ有料なのに…
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
JR九州“脱鉄道”の成算

今年、上場を果たしたJR九州。豪華寝台列車「ななつ星in九州」は話題になった。しかし、人口減少などもあって鉄道事業の先行きは暗い。成長は非鉄道事業の成否に懸かっている。