足立区を根こそぎ変える「給食革命」

“犯罪の多い街”が持つ、負のスパイラルを変える

 「えびクリームライス」「ドライカレー」「きのこのトマトソーススパゲッティ」「キャベツのホイコーロー」――。足立区の学校給食がすごいことになっている。献立を見てみると、一般のレストランで出てきそうなメニューがズラリと並ぶ。
 「日本一おいしい給食」を政策目標として掲げる足立区は、一方で「教育、治安、健康に関する指標が東京23区で最も悪い」と言われている。そこで、子どものころから理想的な食生活を整え、それを基盤にして、街の健全性を取り戻そうとしているのだ。
大人でもよだれが出そうな足立区の給食
 給食革命はさまざまな面で話題を呼んでいる。うわさを聞きつけた出版社が給食レシピを家庭向けにまとめて本にしたところ(『東京・足立区の給食室』)、発行部数が7万7000部(7刷)に達する異例のヒットに。
 庁舎の14階にあるレストランでは、週替わりで学校給食のメニューを550円で提供。1日30食限定のところ、毎日完売状態という人気ぶりだ。
 いったいなぜ、給食革命が必要だったのか。そして、実際に街の活性化に寄与しているのか。革命の牽引役である近藤やよい区長に聞いた。

「給食が楽しみだから学校に来る」でもいい

――足立区の給食が全国的な注目を集めています。献立には、シンプルだけどおいしそうな、かつ栄養バランスのよさそうなメニューが並んでいます。いつから、そしてなぜ、このような「給食革命」に取り組まれたのでしょうか。

ご家庭内で生活習慣や健康について考えるときに、「今日はこんな給食だったよ、お母さん」と、まず学校の給食を話題にしてもらって、それをきっかけに親子が食について語ってもらえればいいな、との思いからこの事業をスタートさせました。

2007年に区長に就任する前から、小・中学校の残菜調査を独自に始めていたのですが、就任と同時に、統一した基準を作って本格的に残菜調査を開始しました。翌08年1月には、教育委員会内に「おいしい給食委員会」を設けました。

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