「1ドル=100円割れ」の円高になるかもしれない 新型コロナショック一服後にやって来るもの

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日本から見ると、どんな株が買われているのだろうか。北野氏は金利や為替と同国のグロース株とバリュー株の関係をあげて説明する。「GAFAのようなグロース株が上がっていく局面では、円安圧力が強まる傾向がある」。

では、どんなときにグロース株が上昇しやすいのか。それは金利上昇局面だ。金利引き締め局面では景気悪化リスクに強いグロース株が買われやすい。逆に言えば、利下げが止ったとき(これ以上の景気の底割れはないと判断されたとき)にバリュー株は買われやすい。

「1ドル=100円割れ時代」が再びやってくる?

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では、「この法則」を今の状況にあてはめると、どうなるのか。「2019年までは『利下げ打ち止め=バリュー株』の流れでした。ところが2020年に入りこの局面でFED(米連銀)は利下げすることになり、3月以降はもう一度グロース株が買われる流れになっています」(北野氏)。

アメリカ株が、グロース株を中心として買われ大きく上昇した結果、日本株をアメリカ株で割った「日米相対株価」の値は、戦後70年間で最も小さくなっている。その結果、何が起きているのか。「つい最近まではアメリカの株価が高くなり円安が進んだ結果、本来の実力ベースよりも、かなりの株安・円安が進んでいた」(北野氏)。

では、もし今後、新型ウイルスの影響が一服すればどうなるのか。ドル円相場は、つい最近までは動かないイメージがあるが、平均すると、1年に15%動くことが検証されている。北野氏はドル安円高が日本経済にとってまったくダメではないとしながらも「お金の流れが平時に近い状態に戻ってくると、1ドル=100円割れになってもおかしくない」とする。

東洋経済 会社四季報センター
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