「新型コロナ暴落」で個人投資家が取るべき行動 「過去の暴落とは別物」と見なすべきなのか

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まさか麻生財務相のアドバイスを受けたとは思えないが、米トランプ政権が当初打ち出した「1兆ドルの経済対策」は、「最大2兆ドル」(約220兆円)に倍増される模様だ。現在、各州の移動制限措置はまさに「戒厳令」のような状態だ。第2次世界大戦下でも、ハワイ以外の本土にはまったく被害がなく、2001年の同時多発テロも、アメリカ人にとっての精神的ショックは大きかったが、経済的被害は今から考えれば限定的だった。

しかし今回は「アメリカ経済の約3割が事実上の休止状態(大手新聞)」とは、「さながら、3割の国土が火の中にある」と言った感じで、トランプ大統領が自身を「戦時下の大統領」と言う所以だろう。投資家が「アメリカ史上最大の危機」と感じても不思議はない。

また、ここへ来て伊藤忠商事が米国不動産ファンドを立ち上げるという。「緩和によって行き場をなくしたマネーの受け皿」ということで、次の展開を考えての戦略だ。「さすがは商社」と言ったところだが、これだけ世界的追加経済対策が多発すると、新型コロナウイルスと同じように、マネーもどんどん増殖していく。つまり、いずれはインフレになると考えられる。不動産も良いが、まずは株ではないか。

ショック時に株式投資を諦めるな

筆者が今まで経験した大きなショック安は、1973年の第1次オイルショック、1987年のブラックマンデー、1990年の平成バブル崩壊、2000年のハイテクバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災ショック、2016年のチャイナショックなどだ。これらのほか、中規模な下落まで数えると十指に余り、ある程度の規模の下落は、かなり頻繁に起きていることになる。

そのたびに失望し、株式投資から手を引く投資家を見てきたが、一方で多くの投資家は今でも市場にとどまって投資を楽しんでいる(あるいは苦しんでいる)。こうした投資家たちは「下げた時、諦めないで我慢した人たち」であり、「安く買えると喜んだ人たち」だった。

今回のコロナショックは人知を超えているかに見える。だが、市場は人が作っており、過去の大きな下げと本質的には変わらない。

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