「1日1分朗読」で、会話がみるみる上達する5理由 「スラスラ話せる」「語彙が増える」効果抜群!

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最後の理由は、滑舌もよくなり「スラスラ話せる」ようになることです。

【5】滑舌もよくなり「スラスラ話せる」ようになる

「1日1分朗読」を日常的に行っていると、嫌でも舌の動きを意識しますし、口のまわりの筋肉もほぐれてきて、自然と滑舌もよくなってきます

また、日本人は欧米人に比べて、圧倒的に「胸式呼吸」をしている人が多いといいます。日本語は、英語に比べて少ない息でも声帯が震えて音になってしまうので、どうしても頻繁に息継ぎをして話す傾向があるそうです。

しかし、「朗読」では「腹式呼吸」で声を出します。「腹式呼吸」で声を出すと、自然と「大きく通る声」「つやのある、いい声」が出ます。元気で若々しい、とてもすてきな声です。それは聞き心地のよさにつながり、声量も自然にアップします。

朗読をすることで、滑舌もよくなり、腹式呼吸と相まって、自然と「スラスラ話せる」ようになっていくのです。

「朗読」と「音読」はまったく異なるもの

「朗読」「音読」と混同されることが多いのですが、この2つには「明確な違い」があります。「音読」は「文章を声に出す」、たとえて言うなら「独り言」です。この場合の「音読」のベクトルは自分に向いています。

本に収録した朗読見本18作品は、魚住りえ氏自身が朗読した「お手本」も聴くこともできる(画像:サウンド・シティ)

これに対して「朗読」は「人に伝える」もの。朗読になってはじめて、伝えたい相手、聞き手である「他者」が生まれます。「朗読」のベクトルは相手に向かっています。つまり、意識の向かう対象がまったく異なっているわけです。

もちろん「音読」がダメという話ではありません。朗読の効果の中には、音読による効果も含まれているからです。「ただ単に自分だけで『音読』するのではなく、世界を広げて相手に届ける『朗読』をしませんか?」というのが私の提案なのです。

朗読で「伝わる話し方」を身に付ければ、スピーチやプレゼンなど「人前で話す」ことも得意になります。語彙も増え、滑舌もよくなるなど、雑談や日常会話で「スラスラ話せる」ようにもなっていきます。みなさんもぜひ「1日1分朗読」をやってみて、「声と話し方がよくなる」ことを実感してみてください。

魚住 りえ アナウンサー

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うおずみ りえ / Rie Uozumi

フリーアナウンサー。元日本テレビアナウンサー。ボイス・スピーチデザイナー。大阪府生まれ、広島県育ち。1995年、慶応義塾大学卒業後、日本テレビにアナウンサーとして入社。報道、バラエティー、情報番組などジャンルを問わず幅広く活躍。代表作に『所さんの目がテン!』『ジパングあさ6』(司会)、『京都心の都へ』(ナレーション)などがある。2004年に独立し、フリーアナウンサーとして芸能活動をスタート。これまでおよそ500本の作品に携わる。とくに各界で成功を収めた人物を追うドキュメンタリー番組『ソロモン流』(テレビ東京系列)では放送開始から10年間ナレーターをつとめた。各局のテレビ番組、CMのナレーションも数多く担当し、その温かく、心に響く語り口には多くのファンがいる。また、およそ30年にわたるアナウンスメント技術を活かした「魚住式スピーチメソッド」を確立し、現在はボイスデザイナー・スピーチデザイナーとしても活躍中。声の質を改善し、上がり症を軽減し、相手の心に響く「音声表現」を教える独自のレッスン法が口コミで広がり、「説得力のある話し方が身につく」と営業マン、弁護士、医師、会社経営者など、男女問わず、さまざまな職種の生徒が通う人気レッスンとなる。現在は、定期的に10~15人を募集し、スクールでグループレッスンを行っている。魚住式スピーチメソッド

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