経費削減と収入確保で2014年までに再建図る--石井清純・駒澤大学学長

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--再調査報告書は、運用の経緯にどのように触れていますか?

スワップ取引は2001年から行われており、その時点までさかのぼって全体的な精査が行われた。もう一つは、(08年末に出た)調査報告書の内容の客観性をもう一度確認してほしいという意見、つまり(関係者の)処分が甘かったのではないかという意見が非常に強かったものだから、公認会計士や弁護士ら外部の方にこの点の調査をお願いした。結果的に、01年から06年までの取引については問題なしという結論だった。つまり、内部の者への処分は厳しめに行われているという結論だった。

再調査報告書の公表予定はない

--そうすると、問題の取引はなぜ行われたのでしょうか?

たぶん、聞きたいのは、(担当者が公印を)勝手に使ったかどうかということだと思う。一部そういううわさが流れたが、(公印を)勝手に押し(て取引し)たという事実は確認できていない。再調査でも理事長の確認を得ながら取引を行っていた。

--前理事長も承知のうえで、一連の取引が行われたのでしょうか。

ですから、その「確認」というもの(の中身)が具体的にわからない。正直言って。具体的にどのような説明がなされ、そして、どのような情報がどこまでもたらされたのかということについては、再調査でも明確になっていない。

--そこはさらに詳細な調査、確認を行う意向はありますか?

いや、調査はこれで終了という形を考えている。

--学長選で、石井さんは再調査をしっかりやると公約されていたようですが…。

純粋に学外の方にお願いし、再調査の報告が上がってきたこと。この事実をわれわれは真摯に受け止めている。この内容がおかしい、恣意的に改変せよというのは、もうわれわれの恣意が入ってしまって、むしろ客観性を失うことになる。これは真摯に受けるしかないというのがわれわれの立場だ。

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