仕事道具を減らすと、集中力がみなぎる

【特別対談】土橋正×本田直之(下)

 書類整理、名刺・スケジュール管理など、仕事をする前に、その準備に時間をとられていないだろうか。結局、クリエーティブな仕事をするためには、モノを少なくした方がよいのだ。では、どうすればモノを少なくできるのか?
『モノが少ないと快適に働ける』(小社)を著した、ステーショナリーディレクターの土橋正氏と、ベストセラー『レバレッジ・リーディング』(同)の本田直之氏が、最新の仕事術について2回にわたって考える。後編のテーマは、仕事道具について。
前編はこちら→「モノが少ないと、快適に働ける」
土橋氏のオフィス。きわめてシンプルだ(撮影:尾形文繁)

仕事でいちばんパワーを注ぐべきことに、集中する

土橋 今回のテーマは「仕事道具」です。私は、文具をテーマに仕事をしているので、以前自宅で仕事をしていたときには、お気に入りの文具をぎっしり並べていた。でも、すでに話したように、モノが少ないほうが快適で、仕事にも集中できるということがわかってからは、最小限のモノしか置かなくなった。それはかなり徹底していて、今のオフィスの机には引き出しがないんです。

それじゃあ、仕事道具をどこにしまっているかというと、ペンケース。これが私にとっての引き出し。「これでは足りない」と思うかもしれないけど、私にとっての引き出しは、この小さなスペースしかない、と覚悟を決めさえすれば、できるものなのです。パーキンソンの法則に「仕事の量は完成のために与えられた時間を満たすまで膨張する」というのがあるけど、「モノも収納スペースの大きさギリギリまで増える」と思っている。ならば、そもそも収納スペースを小さくしようという発想。私の場合のモノを減らすコツは、収納スペースを小さくするというのがあるね。

本田 昔とは大きく変わったということですね。

土橋 そうだね。そのペンケースの中には、0.5ミリと0.7ミリのシャープペン、ボールペン、鉛筆、赤青鉛筆、ハサミ、消しゴムくらいしか入れていない。モノが少ないと、たとえばどのペンを使おうかと「選ぶ」必要がなくなって、すぐに必要なペンが手に取れて仕事に向かえる。仕事でいちばんパワーを注ぐべきは「選ぶ」ではなく、「考え」て「創造する」ことだと思う。モノが少ないと、それがスムーズにできる手応えがある。

本田 僕も万年筆などを使っていた時期がありましたが、iPhoneとEvernoteを使うようになってからは、筆記具で文字を書くということが格段に減りました。今使っているのは、以前、土橋さんに教えてもらったジェットストリームくらいですよ(笑)。これはホントに書きやすい。これでよく原稿の校正をしています。校正はデジタルではなく紙とペンのほうがいいですね。

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