2065年、日本の人口ピラミッドはどうなるか 中低所得国では増えるが日本は1億人を切る

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日本の人口は減少を続け、2060年には1億人を下回ります(2020年に比べて22%の減少)。

アメリカの人口は増加を続け、2060年には2020年より18%ほど多くなります。

イギリスの人口は11%増、フランスはほぼ不変、ドイツは7%減です。

低所得国での人口増加が著しいため、食料事情で問題が起きることも懸念されます。

かつてトマス・ロバート・マルサスは、『人口論』で、食料などの生活資源の生産は土地の存在量で規定されるため、その増産ペースより人口増加のペースのほうが高くなると考えました。そのため、人口増加を抑制する必要があると論じたのです。

幸いなことに、これまで人類は、生産能力を拡大することによってその危機を回避し続けてきました。しかし、今後の数十年間においては、その問題が現実化する危険を決して否定できません。

人口ボーナスから人口オーナスへ

人口については、その総数だけでなく、年齢別の構成が重要です。

人口動態が経済成長にどのように影響するかをみるために使われるのは、生産年齢人口の伸び率です。

人口ボーナス(demographic dividend)という概念があります。人口ボーナス期とは、労働力増加率が人口増加率よりも高くなり、その結果、総人口に占める労働人口の比率が上昇し、その結果経済成長が促進される期間です。

それに対して、従属人口の比率が相対的に上昇して、経済成長が妨げられることを、人口オーナス(onus)といいます。

ここで従属人口とは、若年人口(15歳未満)と高齢者人口(65歳以上)の総数です。

「人口ボーナス指数」は、生産年齢人口÷従属年齢人口によって表わされます。ここで、生産年齢人口とは15歳から65歳の人口です。

これがピークアウトすると、経済成長は鈍化します。

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