スーツさえ着ればOKじゃない時代の着こなし術 色や柄、生地を工夫するだけで印象が変わる

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また、生地の質感も印象に影響を及ぼします。厳粛な雰囲気を醸し出すツルっとしたスーツ生地に比べ、ジャケット生地はザラっとした織りのあるものが多い。同じウール生地であっても、糸の紡ぎ方が違うため表情に違いが生まれます。このザラっとした表情は、親しみやすい印象を醸し出します。

レセプションで役立つオフィスカジュアル

レセプションパーティーにおいても、オフィスカジュアルは活躍します。「平服でお越しください」という文言を招待状で見かけますが、これはドレスコードです。「スーツを着ていれば間違いない」という考えもありますが、ジャケットにスラックスというスタイルは「スマートカジュアル」と呼ばれる平服です。

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このとき、スーツに見劣りしない華やかさを演出するため、ポケットチーフを挿します。シルク・ウール・リネンのチーフがありますが、季節を問わず、リネン(麻)はフォーマルの象徴です。「スクエア」と呼ばれる挿し方がよく合います。ハンカチのように折りたたみ、ポケットに入るよう長方形にし、胸ポケットから7ミリ~1.2センチ程度チラッと見せる挿し方です。

一方、フランネルジャケットと呼ばれる「秋冬の毛羽立ち生地」にチーフを合わせるときは、同じくウール素材で合わせてみましょう。温かみのある印象に仕上がります。

多様なファッションが許容されてきているからこそ、「スーツさえ着ていればOK」ではなく、顧客や職場に合わせて「スタイル」を変える柔軟性が、これまで以上に求められています。

森井 良行 ビジネスマンのためのスタイリスト

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もりい よしゆき / Yoshiyuki Morii

その違和感を、言葉で可視化する。著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)など5冊。MENSA会員。

公式サイト「エレカジ」(https://www.elegant-casual.com/cases)では、80件を超えるコーディネート事例を公開。

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