メルカリにはびこる「不届き者」のあきれた手口 「不正出品者」に惑わされないためにどうする

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無在庫販売を見分けるポイントはいくつかある。一般的にメルカリでは、商品の写真は素人が撮影するもの。ところが、中には明らかにプロが撮影したであろう写真が混じっている。

通販サイトで販売されているものより高値で販売されている場合は注意が必要(筆者撮影)

実際に無在庫販売と思われるアカウントをのぞくと、同じ商品を複数販売しており、すでに売れているものも多い。試しに出品されている商品名をグーグルで検索すると、メルカリでの販売価格がいちばん高いことがわかった。定価8532円の商品が、ある通販サイトでは2986円で売られている一方で、メルカリでは4000円で売られていたのだ。

「メルカリでは何でも安く手に入る」と思われるかもしれない。だが、同ケースのように通販サイトよりも高値で販売されていることだってある。

また、無在庫転売の場合、商品の発送までの日が「4〜7日」と遅めに設定されていることも多い。自分で商品を発送するわけではないからか、あるいは一度自分で受け取ってから再発送するために長めに設定しているのだろう。

「高額な商品」をつかまされないために

もし無在庫販売かどうかを確認したければ、一度、グーグルで商品名を検索して最低価格を調べてみることをおすすめしたい。わざわざ高値で購入して転売業者に儲けさせる必要はない。

商品が本当に手元にあるのか確認したい場合は、「縫い目の状態/タグ/ファスナー部分を確認したいので、写真を見せてほしい」などとお願いするといいだろう。もし手元に商品が本当にあるのなら、応じてくれるはずだ。なお、メルカリでは手元にない商品や、取り寄せが必要な商品の販売は禁止されている。

必要なもの、不必要なものを自由に売買できるメルカリは便利だが、このような不正出品者がいることも知っておくといいだろう。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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