日中関係の現状は小泉時代より厳しい

清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長に聞く

昨年末、安倍首相はかねてから企図していた靖国神社を参拝した。現役総理による靖国参拝は小泉純一郎元首相以来のこと。中国の対日外交ブレーンで清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長は、「この影響は小さくない。両国の関係は小泉時代よりも厳しい」と分析している。
2014年1月18日号(1月14日発売)の核心リポート01の関連インタビューです。

 

──この時期の靖国神社参拝をどう受け止めたか。

ことが安倍首相の歴史観、戦争観に根差すだけに、在任中にいずれ参拝するだろうとは思っていた。しかし、8月15日の終戦記念日でも春秋の例大祭でもなく、年末というタイミングには驚いた。新しい1年に向けて中韓との関係改善の歩みを始めるべきときに、その機会を自ら潰した。

──当面、日中関係の改善は難しそうだ。

靖国参拝を行えば、小泉純一郎政権時代と同様に首脳会談ができなくなることは安倍首相もわかっているはずだ。

しかも、小泉政権時代よりも日中関係は厳しい状況にある。領土問題、さらに安全保障問題があるからだ。これに靖国神社参拝など歴史問題が加われば、なおさら深刻だ。

釣魚島(尖閣諸島)をめぐる対立について、安倍政権は「日中間に領土問題は存在しない」としており、妥協点は見いだせない。日本人は認識していないかもしれないが、今年は日清戦争開戦から120年に当たり、歴史的に敏感な年だ。中国や韓国にとっては、被害者として日本に反発する心理が働きやすい。

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