ウエアラブル端末、普及はアップル次第? 普及にはまだ時間がかかる

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進化に向け注目される企業・製品

ウエアラブル端末の中でこれまでに最も売れているのは、サムスンが約300ドルで販売するスマートウォッチ「ギャラクシーギア」だが、利用者の評価は芳しくない。9月の発売から2カ月で80万台が出荷されたが、数百万台というスマホの販売台数に比べると、見劣り感は否めない。

一部の専門家は、これまでの実績からすると、ウエアラブル端末の人気を押し上げる製品を生み出す最有力候補は米アップルだと期待する。

調査会社カンター・ワールドパネルのアナリスト、キャロライナ・ミラネシ氏は、「2014年はヒット商品の年というより、試行の年になる。多くのメーカーは、アップルがどう出るかを見極めることになるだろう」と予想する。

明らかな勝者に欠けたCESだが、かなり魅力的で、観衆を惹きつけた製品もあった。エプソン<6724.T>が約700ドルで売り出す眼鏡型端末は、目にしている物体のデータを同時に見ることが可能。ソニーが発表した眼鏡型のプロトタイプは、キャプションのほか視聴中のテレビ番組情報を表示することができる。

一方、今や「ウエアラブル端末革命」を推進する最大の企業の1つとなったクアルコムはスマートウォッチ「Toq」を手掛けるが、クリアすべきハードルが高いことも認める。

同社のスマホ向けプロセッサ「Snapdragon」の設計を統括するラジ・タルーリ氏は、同プロセッサを時計型端末などにも搭載し、さらに洗練された機能を実現させたいと語る。

タルーリ氏は、そのためにプロセッサの電力消費量を桁違いに減らすことが欠かせないとし、「ウエアラブル端末に今期待されているのは、毎日充電する必要がないという以上のこと。利用する人は何週間も身に付けられることを望んでいる」と課題を示した。

(原文:Noel Randewich、Jeremy Wagstaff、翻訳:橋本俊樹、編集:伊藤典子)

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