キャリア女性に「パンツスーツが実はNG」な理由 周囲に与えるメッセージを考えていますか?

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もちろん、パンツスーツが悪いわけではありません。ただ、同じスーツでもスカートとパンツでは印象が違い、周囲に与えるメッセージにも違いが生じることを理解し、そのメッセージが自分にふさわしいものかを考慮して選択すべきです。大切なのは、スタイルを安易に選ばず、明確な意図をもって判断しているかどうかなのです。

アメリカをはじめとする海外のドラマでは、こういった服装の持つメッセージ性を見落とさず、登場人物の人となりを身につけるもので表現する「演出」が抜群にうまいと感じます。

例えば、「SUITS」というアメリカの人気ドラマシリーズがあります。日本でも2018年にリメイクされたのでご存知の方も多いと思います。オリジナルに出てくるニューヨークの名門法律事務所の女性代表は、つねにハイブランドと思しきスカートスーツ、エグゼクティブ感のある端正で上質そうなワンピースを着ています。見るだけで「トップ」の印象を感じる演出です。

しかし、その彼女が今よりずっと下のポジションにあった過去の出来事を回想するシーンでは、グレーにピンストライプのパンツスーツで、アクティブなイメージを醸し出していました。その衣装の差だけで、「自分が動き回る役だった過去」と「人を動かす現在」のコントラストを際立たせ、現在は「格」も「役回り」も上なのだ、ということがすぐにわかるように演出されていました。

いかがでしょう。あなたの「衣装」は「あなたの現在」を「演出」していますか?

「白」はキャリア女性が使いこなす価値のある色

こういった演出は、パンツかスカート以外にも、色使いやさまざまなディテールにも見られます。例えば、色使いは男性のビジネスフォーマルに使われるネイビー・ダークグレーなどは、女性にとってもやはり「威厳」や「格」を表現しやすい色です。

とくに、ネイビーは、「誠実さ」「清廉さ」「理性・理知的」のイメージを形成しやすい色です。これに高潔な色である白のインナーを組み合わせると、印象に品や潔さが加わります。初対面のあいさつや商談でおすすめしたい組み合わせです。

「白」はキャリア女性が使いこなしていく価値のある色です。いつの間にかダーク系の色使い中心になっていませんか? もしも、目立たない色や扱いやすい色、汚れが目立ちにくい色ばかりで、いつの間にか「白」を活用しなくなっていたら、もったいないことです。

年齢を重ねていくと肌ツヤが落ちますので、白のように光を反射し、清潔感も強い色は年齢を重ねていく時にこそ、非常によい味方になります。白は「レフ板」として、顔を明るくツヤよく見せてくれる心強い色なのです。

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