読解力は「頭のOS」のバージョンによって決まる 子どもの地頭をよくする7つの「魔法の言葉」

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ドキッとするかもしれませんが、これが原因ではないかと推察します。もう少し説明するとこういうことです。

パソコンにはOSとソフトの2つが入っていますね。OSとは、WindowsやMacOSのようなものです。スマートフォンにも入っています。またソフトとは、ワード、エクセルなどを指します。スマホの場合はアプリといいます。そこで、次のようなことを考えてみてください。

例えば、Windowsの初期版であるWindows95に、ワード2018という新しいソフトはインストールできるでしょうか。入りませんよね。入ったとしてもすぐにフリーズするはずです。しかし新しいOS、Windows10であれば、どのようなソフトもインストールが可能で、サクサクと動くことでしょう。

実は人間の頭脳もこれに例えてお話ができます。パソコンのようにOSにあたるものがあると考えてみてください。一般的には「地頭(じあたま)」と言われるものです。一方で、ソフトのインストールを日々やっています。子どもの場合、このソフトとは英数国理社などの科目にあたります。

しかし、ここで次のような問題が起こります。

「OSのバージョンが新しい子はどのようなソフト(科目)もインストールできるが、OSのバージョンが古い子はインストールできないかフリーズを起こしている」

小学校の内容が対応できるOS搭載であれば、小学校時代は問題ありませんが、中学の内容ではフリーズ起こします。中学の内容まで対応できるOS搭載であれば、中学校時代は問題ありませんが、高校の内容ではフリーズ起こします。

勉強でつまずいていく子は、こうした問題に直面していることがあるのです。

OSは後天的にアップデートができる

ところが、家庭では科目の出来、不出来といったソフトにばかり目がいきます。そしてそれを何とかインストールさせようと、強制的に勉強をやらせたり、塾に入れたりと様さまざまな手段をとります。しかし、ソフトばかり詰め込んでも何も変化は起こらないのです。

今、高橋さんはお子さんに、新聞記事の音読などをさせているようですが、これはまったく意味のない”作業”になります。OSが対応できていないからです。 意味がないどころか、「文章は嫌い、新聞は嫌い」にさせるための活動になってしまっている可能性もあるため、即刻やめたほうがいいでしょう。

では、どうしたらいいでしょうか。ここからは対策です。

このOSは先天的なものと思われるかもしれませんが、あることをすることで後天的にアップデートができると考えています。

こんなお話をしている筆者もかつてOSのバージョンがかなり低かったので、よくわかります。またこれまで指導してきた数千人の子どもたちのOSのバージョンを上げていくと全教科の点数が上がり出すというケースを頻繁に経験したことから、このOSのアップデートは可能であると筆者は考えているのです。

次ページでは頭脳のOSのアップデート方法について
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