AKBオタは、なぜリアルな恋愛ができない?

宮台真司が語る、絶望の時代を生き抜く恋愛学

AKBオタクたちに性愛の未来はない

――最近の若い男性たちの性愛が、内から涌く力である〈内発性〉ではなく、損得勘定の〈自発性〉に閉じ込められがちだという話だと思いますが、そうなるのはなぜでしょう? カノジョがいない男性が増える一方で、AKB48やグラビアアイドルがブームですが、関係がありますか?

詳しくは『「絶望の時代」の希望の恋愛学』に譲り、一部を話します。性愛の最大の障害は〈物格化〉と〈母への恨み〉と〈変性意識状態への入りにくさ〉の三位一体です。〈物格化〉とは人格化の反対で、相手を入れ替え可能な道具とみなすこと。男による女の〈物格化〉がミソジニーですが、男女逆向きもあります。

恋愛において〈物格化〉する男を見分けるのは簡単です。

(1)女の過去の性愛体験に激怒したり耳を塞ぐ男。

(2)髪型や服装や挙措に一々文句を付ける男。

(3)母親の価値観を内面化し且つ母親役をさせたがる男。

どれかひとつに抵触したらアウトですが、大抵三つが重なるのです。

経験的に言えば、そうした〈物格化〉する男には、ストーカーを含めて嫉妬深い〈粘着厨〉や〈処女厨〉が多く――それは理屈的に当然ですが――、面白いことにAKBオタクが目立ちます。〈(1)と(2)と(3)と〈粘着厨〉と〈処女厨〉とAKBオタクの、6条件〉をフル装備した男も大勢います。これが〈AKBオタク問題〉です。

※〈粘着厨〉〈処女厨〉は共に「2ちゃんねる」などのインターネット掲示板で使われる用語。〈粘着厨〉と特定の人や物に執着する人。〈処女厨〉は女が処女であるに執着する人。

AKBオタクは変われない

――宮台さんは、女性たちにこうした〈物格化〉男たちと別れるように勧めているそうですね。

正確には「直ちに」別れるよう勧めています。女を〈物格化〉する男の特徴は「自分に似合う(と母親が思ってくれる)女」を探すこと。この男は「その女に必要な男」がどんな存在なのかに関心を寄せません。女子はこの類とは早急に別れろとアドバイスすると、「いや、カレシが変われるかも……」と言う女子もいます。それは構造的に無理です。なぜか。

女を〈物格化〉する男は大抵が〈母への恨み〉を抱えます。〈母への恨み〉は〈あなたさえいなければ自分はこうならなかった〉という形です。家庭内暴力と全く同じです。この男は恨みを晴らすべく母親のかわりに女を制御したがります。母親が制御してきた男が復讐的に女を制御する。これが〈物格化〉と〈母への恨み〉の構造的結合です。

この関係は不幸の元。人は〈本来なら別様(違う自分)であり得たのにこうでしかない〉と気付く存在だからです。〈物格化〉された女が〈物格化〉してこない男を求めるのではないかと察した男は〈粘着厨〉になります。男が察する理由は、彼自身が母親による制御に対し〈本来なら別様でもあり得たのに……〉と夢想、〈あなたさえいなければ……〉と恨んできた、当人だから。

こうした〈物格化〉と〈母への恨み〉の結合ゆえに、本人の強烈な自覚とカウンセリング抜きでの自力解決は困難です。強烈な自覚を持つのは難しい。ならばここでこの種の男が女を幸せにできない理由をはっきりさせて自覚にいざないましょう。女はこの種の男から最終的に離れるし、離れない女は病んだメンヘラーです。そのことをこれから明らかにします。

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