バイトを大切にしない会社が忘れがちな7原則 労働条件をきちんと確認することが重要だ

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【ポイント4】 社会保険

雇用保険と同様、社会保険(健康保険+厚生年金)についても、アルバイトの加入漏れが問題になることが少なくありません。

社会保険は、学生アルバイトも含め、その職場の正社員の4分の3以上の所定労働時間および所定勤務日数があり、2カ月以上の継続雇用が見込まれる場合は加入が必要です。従業員数501名以上の大企業では、所定労働時間の要件が週20時間以上という形で厳しくなっています。

会社の負担は重いが…

雇用保険の保険料率が給与の額面に対し本人負担0.3%、会社負担0.6%(一般の事業会社の場合。建設業などは違いあり)なのに対し、社会保険は労使それぞれ15%ほどの保険料率になりますから、負担が重いのは事実です。

しかし、社会保険に加入していれば私傷病で就労不能になったときの傷病手当金、妊娠・出産で就労不能となったときの出産手当金、老齢基礎年金や障害基礎年金が支給される場合の上乗せとして、老齢厚生年金・障害厚生年金の支給など、社会保険には何らかの事情で働けなくなった場合のセーフティーネットが充実しています。

正社員と同等の労働時間で勤務しているアルバイトも、このセーフティーネットの恩恵を受ける権利があります。人手不足の現在、アルバイトは決して使い捨てではなく、大切な戦力ですから、正しく社会保険に加入させることが必要になっています。

【ポイント5】 定期健康診断

労働安全衛生法では、年1回の定期健康診断を会社の費用負担で行うことが義務付けられています。この定期健康診断は、正社員だけでなく、週の所定労働時間が正社員の4分の3以上で、1年以上の継続勤務が見込まれる場合はアルバイトも対象となります。

おおむね、社会保険に加入すべきアルバイトは定期健康診断の実施義務対象者に含まれるというイメージを持てばよいでしょう。なお、週の所定労働時間が20時間以上のアルバイトについても定期健康診断の対象にすることが望ましいと、努力義務が定められています。

自社で定期健康診断の対象とすべきアルバイトに受診漏れがないか、1度確認をしてみてください。

また、従業員50名以上の会社で行われるストレスチェックに関しても、定期健康診断の対象となるアルバイトには受けさせなければなりません。

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