社会の要請に応える教育システムの
再構築と新たな教育プログラムの創造。
【グローバル化に伴い激動する時代の中で、変革が求められる大学教育】
龍谷大学
教育システムの再構築と新たな教学展開により
教育力向上を図る龍谷大学
グローバル化が加速し、日本国内においては少子高齢化や地域間格差の拡大などさまざまな問題が噴出する現在。これからの時代には、主体的に問題を発見し、解決するための道筋を見定められる人材が求められている。自ら学び主体的に考える力を育成するには、従来のような知識伝達型の教育ではなく、学生の能動的学修を促す教育に転換する必要がある。副学長の佐藤研司氏は語る。
「大学の存在も『教えてもらう場所』から『自己形成のために自ら学ぶ場所』に変わる必要があります」
龍谷大学は、第5次長期計画において、「自律的・主体的な学生の育成」を掲げており、これを実現するための方策として、各学部・研究科等における優れた取り組みに対し、スタートアップ経費として一定期間財政支援を行う制度「龍谷GP」を2011年に開始した。来年度からは「全学的な波及効果」を採択基準に加えるとともに1取組当たりの財政支援期間や金額を拡充するなど教育改革が促進する仕組みを構築した。このような取り組みを進めることにより、既存の教育システムの再構築を図っている。
また、新たな教学展開として、2015年4月に、瀬田キャンパス(滋賀県大津市)にある国際文化学部を深草キャンパス(京都市)に移転させる。ここでは、国際都市「京都」の立地環境を活用した教育プログラムや、既存の社会科学系学部との連携を通して、「多文化共生」を実現したキャンパスの創造を目指している。世界各国から留学生が集う多様性に満ちた環境の中、学生は異なる考え方や価値観を理解し、豊かな国際性と確固たる自立性を身に付けることが可能になる。そしてこれらの教学展開を支える施設として、新1号館(仮称)の建設が進んでいる。新1号館には、複数の学生が資料や電子情報を活用しながら議論できる自主学習スペース「ラーニングコモンズ」や、国際交流スペース、体験型の語学研修施設などを設ける予定だ。
さらに、国際文化学部の改組移転と同時に、瀬田キャンパスには日本の大学として35年ぶりに「農学部」を新設する。食と農の観点からグローバルイシューの解決を目指し、社会的要請に応えるための教育を実践していく。これらのさまざまな改革を進め全学的な教育力の向上を目指している。