レオパレス、法令違反で「損失430億円」の泥沼 新たな違反発覚、問われるのは自浄作用

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頭を下げる深山英世社長(中央)ら経営陣(記者撮影)

また、最初に発覚した小屋裏の界壁の不在も、壁と天井である程度の準耐火性能は出せることから、やや緊急性は低いようだ。

一方でもっとも深刻なのは③の天井の耐火基準不足だ。これについては建築基準法の基準を満たしていないため、入居者7782人に仮住まいや転居を手配し、早急に補修工事を行うとした。損失が膨らんだのもこの要素が大きい。

2.5万棟の調査はこれから

レオパレスは屋根裏の界壁問題が発覚した昨年4月、「業績への影響は軽微」としていたが、第1四半期(2018年4~6月期)で約50億円、第2四半期(同7~9月期)で約71億円、そして今回の3つの建築基準法違反が発覚した第3四半期(同10~12月期)では関連損失が430億円と巨額に達している。

会見で報道陣から「これ以外の問題は出ていないと判断できるのか」を聞かれ、会見に同席していた平坂弘幸対策本部責任者は「(これまでに販売した)50シリーズの(ベースとなる)施工図書・施工図を全部調査し、不備がないことを確認した」という。

つまり、確認が終わったのは施工図書やマニュアルなど図面上の問題のみ。実際の施工の際に問題がなかったのか。全3万9085棟中、優先調査対象の8シリーズ約1.4万棟の調査は終わっているが、残り2.5万棟の調査はまだこれからだ。

新たな問題発覚と同時にレオパレスが発表した2019年3月期の業績見通しは、売上高5100億~5160億円、営業利益75億~105億円という従来の予想を据え置いたが、純利益については補修工事費用などを追加計上することにより、380億~400億円の赤字に膨らむとした(従来予想は50億~70億円の赤字)。

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