女性にとっての、ホワイト企業とは何か? 「ゆるキャリ」を容認するのが、いい会社か

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――日本の会社は人材の評価基準が明確でないために、ついつい、長時間働く人間ばかり「やる気がある」と評価しがちです。そう考えると、「働き方改革」を成し遂げるには、評価制度も整えなくてはいけませんね。

そうなのです。女性活用やWLBがうまくいっている企業には、外資など評価の仕組みが成果ベースになっているところが多いです。評価基準が明確だと、在宅勤務など柔軟な働き方も認めやすく、ますます多様な働き方が可能になるのです。

大企業は本当に働きやすいか?

――「ダイバーシティ100選」や「なでしこ銘柄」など、ダイバーシティが進んだ「ホワイト企業」を国が選定することは、とてもいいことだと思います。その反面、優秀な学生確保のため、表面的にホワイト企業を装いランキング入りを狙う企業が現れるなど、弊害はないでしょうか?

うーん。確かに、ある企業のダイバーシティ推進室の方からは、「ダイバーシティ100選」にすごくエントリーしたいのだけど、仮に通ってしまうと、そこで動きが止まってしまうのが怖いんですというお声は聞いたことがあります。

――つまり、100選に選ばれることがゴールになってしまうと。

ええ。こうしたご意見を踏まえ、100選に選ばれた企業には、表彰式で、必ずダイバーシティに対する努力を継続してくださいとは伝えています。また、「なでしこ銘柄」については、毎年入れ替え制なので、企業がダイバーシティに対する努力をし続けていないと順番が入れ替わる仕組みです。

――ところで、そもそも論なのですが、時短や在宅など柔軟な働き方を選ぶことができ、結果を出せばちゃんと評価してもらえる、そんな「ホワイト企業」だったら、誰だって行きたいという気がします。たとえば、女性だったらみんな、資生堂に入りたいのではないでしょうか(笑)?

そうですよね。確かに、中小企業や非正規雇用については、両立支援制度がまだ十分に利用できていないという問題が残っています。「第1子が生まれたら6割が復帰しない」問題の根っこは、このあたりにあるように思います。

でも、これはぜひ、就活中の学生さんやワーキングママさんに知っていただきたいのですが、中小企業は千差万別なので、平均を取ると大企業に劣るかもしれませんが、個々に会社を見ていくと、大企業よりはるかに女性活用が進んだ会社もあるのです。

大企業は制度を作ったら、やる気のない人でも、みんなに公平に使わせないといけないと考えるから、対応が硬直的になりがちです。仕事で貢献しようという意欲が低いのに、恵まれた両立支援制度だけは使いたい、できるだけ楽をして、でもお給料だけはもらいたいという「ゆるキャリ」志向の女性ばかり集まってきたら困るというのが、企業側の本音ですから。

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