南アフリカ出身の起業家が日本を目指すわけ 神戸ベンチャー発表会は応募の過半数が海外

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日本の外国人旅行者数(インバウンド)の伸び率は世界トップクラスだ。加えて、「ガンダム好きの自分にとって、日本は子どもの頃からのあこがれの土地。2020年に東京五輪を控え、外国人旅行者と英語を学びたい日本人の増加が想定される。マーケット的にも魅力がある」とBuna氏は意気込む。

南アフリカ共和国出身、日本で起業したドゥートのBuna氏(記者撮影)

Buna氏が参加した「500 KOBE ACCELERATOR」は、アメリカ・シリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Starups」(ファイブハンドレッド・スタートアップス)と神戸市が組んで開催している。

日本国内でアクセラレーターと呼ばれる、ベンチャー企業の支援プログラムは年間100超あり、その多くは大企業が新規事業開発の一環として運営している。

1カ月神戸市に滞在、指導を受ける

その一方、500 Startupsのような投資ファンドが運営するプログラムは、ビジネス拡大に必要な次の資金調達をベンチャー企業が達成することに主眼が置かれる。神戸市のプログラムでは、参加者である起業家は1カ月間ほど神戸市に滞在。資金調達の基本事項やマーケティング手法、投資法務、プレゼン技法などを学ぶ。世界各国から集められ、大型M&A(企業の合併や買収)やIPO(新規上場)経験がある起業家たちが指導者役を務める。

このようなプログラムを自治体が運営する事例は国内でもいくつかある。だが、神戸市は日本で初めて500 Startupsの誘致に成功し、パートナー関係を締結してプログラムを実施し、世界中の起業家たちの注目を集めている。

神戸市では、久元喜造市長の肝いり施策の1つとして2015年からスタートアップ支援に力を入れている。神戸市新産業グループの多名部重則・新産業創造担当課長は「シリコンバレーなどのアクセラレータープログラムからヒントを得て、同様の取り組みを神戸市でも導入したいと考えた」と話す。

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