ソニーがルネサス鶴岡への出資を目論むワケ

3年後の閉鎖が決定している工場に一筋の光

3年後の閉鎖が決まっている鶴岡工場。ソニーの出資によって存続できる可能性も浮上

閉鎖か存続か――。3年後の閉鎖が決定しているルネサスエレクトロニクスの鶴岡工場(山形県鶴岡市)に、一筋の光が差している。ソニーが鶴岡工場に出資して、CMOSイメージセンサーを生産するプランが水面下で動いているのだ。

「2年先には、今の生産量では足りなくなってしまう」。ソニー幹部はこう焦りを募らせている。ソニーは撮像素子のCMOSイメージセンサーで、世界シェア3割超を握るトップメーカー。スマートフォン市場の拡大とともに需要は右肩上がりで、2010年12月時点と比べると、現在の生産能力は2.4倍の月産6万枚まで引き上げてきた。この間、熊本工場と長崎工場に2200億円の設備投資を行っている。

イメージセンサーの用途が増大

CMOSイメージセンサーはカメラのフィルム部分に相当する半導体で、ソニーは世界で初めて「裏面照射型」の開発に成功。暗い場所でもきれいに撮影できる特長を武器に、高いシェアを保ち続けている。

ただし足元はデジタルカメラ不況のあおりを受けて、2013年度のCMOSイメージセンサー事業は減収減益の見通しだ。それでも数年後には車載用カメラや監視カメラなど、CMOSイメージセンサーが搭載されるアプリケーションの裾野拡大が期待されている。ソニー社内には10年先の開発計画を議論しながら描いたロードマップがあり、それに沿って事業を考えると2年後の増産を考える必要がある。

ソニーはシステムLSIを生産する鶴岡工場を、CMOSイメージセンサーの生産ラインに衣替えする案を想定している。「長崎工場でのノウハウが生きてくる」(ソニー幹部)と自信を深めるように、10年に東芝から取得したゲーム用半導体「セル」の生産ラインをCMOSイメージセンサーに転用した実績を持つ。

ソニーのCMOSイメージセンサーは特殊な製造工程が含まれており、高い生産技術が求められる“もの作り”の要素が強い。だからこそ鶴岡工場の製造装置と技術者の双方に魅力を感じているという。

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