2014年の注目テーマは「低金利をより長く」 新FRB議長就任後の期待

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2つの誤った受け止めにより、トレーダーは、低金利が彼らの思うより長く続くと思い至らずにいると、プルデンシャル・フィクスト・インカムの首席投資ストラテジスト、ロバート・ティップ氏は指摘する。同氏によると、誤りの1つは、世界的な金融システムでの量的金融緩和の必要性を投資家が過小評価していることで、回復の鈍いユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)による低金利政策が続くほか、日銀の黒田東彦総裁も25日、インフレ率2%の実現に経済成長が力不足ならば、追加緩和を辞さない姿勢を示している。もう1つは、米景気が引き続きパッとしないことだという。

FRBの有力エコノミスト2人も今月発表した論文で、失業率の基準値を引き下げるなどしてフォワードガイダンスを強化する必要性を示唆している。

資産バブル警戒も

ただ、政策立案者やストラテジストの中には、金融緩和によりインフレ的な資産価格やレバレッジには既に燃料が供給されており、資金の流れが逆回転すれば経済にダメージを与えかねないとの懸念もある。ドイツ連銀は最近、ユーロ圏の記録的な低金利が長期化すると、金融セクターへのリスクになると警告した。

米国やその他の地域で景気が回復し、金利が上昇すると考えるアナリストもいるが、市場には例え上がったとしても限定的だとの見方がある。ペイデン&ライジェルのシニアエコノミスト、ジェフリー・クリーブランド氏は、「全体として言えば、14年も13年と同様の2%成長となる可能性は小さくない。その意味するところは短期金利はより長期間にわたって低水準が維持されるということだ」と話した。

(Ellen Freilich記者)

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