もう円高には戻らない

みずほ総研チーフエコノミスト・高田創氏に聞く①

2014年の日本はどうなるのか。三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所の3大シンクタンクが、14年の注目テーマやトピックを分析していく6回シリーズの第3回目からは、みずほ総合研究所チーフエコノミスト・高田創氏のインタビュー。消費増税で来年度の景気の先行き懸念も指摘される中、高田氏は来年度上期については強気の姿勢だ。そのわけは……。(聞き手:東洋経済書籍編集部)
第1回 日本は「おもてなし観光医療」で世界一に  
第2回 イスラム教徒を、日本のお得意客にしよう
消費税が上がっても、2014年の景気は意外に良好?(撮影:尾形 文繁)

――来年(2014年)は消費税が上がるということで、景気の中折れが心配されていますが、高田さんは強気の姿勢ですね?

高田 創(たかだ はじめ) みずほ総合研究所チーフエコノミスト。2011年から現職。テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』のレギュラーコメンテーターを務めるるなど、わかりやすい経済解説には定評。 「20XX 年 世界大恐慌の足音」(小社) 「国債暴落-日本は生き残れるのか」(中央公論新社)など著書多数。

ええ、私は基本慎重な姿勢なのですが、来年度(2014年度)上期については、強気です。と言いますのも、企業の本格的な投資が始まるのは、むしろ来年度以降とみているからなのです。設備投資も、雇用も、今年(13年)はまだ期中ですから、手控えていますが、14年4月からは新年度となり、そこでようやく具体化するわけです。

業界のトップクラスの企業が手始めに投資を行えば、それを横目に見ていた準大手クラスがそれに習い、ドミノ倒しのように、企業の投資に波及が生じると私は見ています。ですから、消費税率アップによる景気の一時的減速が生じても中折れは起こりづらい、そう思っています。

――2014年度(2015年3月期)、高田さんのシナリオでは日本経済と日本企業はどうなりますか?

今の話の続きですが、14年度上期は今期中にたまった投資圧力が、ようやく顕現化すると思います。円高の再来を想定するのではなく、円安の継続を前提に、成長を重視した経営計画を立てることになります。今はリスク管理がしっかりしているので、どこの企業もリストラは期中でも決めたら即座にできます。

しかし、一方で給料を増やしたり設備投資をしたりといった、コストを増やす決断は年度計画の中でしかできません。だから、来年度の経営計画でどれだけの成長戦略が描けるかが勝負の分かれ目です。

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