イスラム教徒を、日本のお得意客にしよう

3大シンクタンクが読む2014年の日本②

 3大有力シンクタンク(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、みずほ総合研究所、野村総合研究所)が、2014年の日本の注目テーマやトピックをとりあげる6回シリーズ。第2回は観光客増加で加速する「ハラル認証」。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの森下翠惠氏と武井 泉氏が分析する。第1回「日本は『おもてなし観光医療』で世界一に」こちら
「ホテルスプリングス幕張」ではハラル認証を取得。イスラムの受け入れ体制が整う(同ホテルの井藤潔取締役総料理長、撮影:風間 仁一郎)

「ハラル認証」はイスラムに売りこむなら必須

ここ数年、「ハラル」または「ハラール」(発音表記の違いのみで、意味は同じであるため、特定の団体を除き「ハラル」を使用します)という言葉を耳にする機会が増えました。「ハラル」とは、アラビア語で「許された」という意味であり、イスラム教徒(ムスリム)の消費者を対象とした宗教的な配慮を行った商品やサービスを意味しています。

同ホテルのレストラン「玄海」のハラルフードメニュー

最も代表的なハラル商品は、豚肉やアルコール由来の成分を含まない食品ですが、その他にも食料原料、医薬品、化粧品、またハラルの商品を「非ハラル商品」と混在させずに、工場や店舗まで運ぶ物流・ロジスティック分野などにも、「ハラル」かどうかの認証が適用されます。

これらの宗教的な配慮を行った商品やサービスは、各国のイスラム組織によってコーラン等にのっとった一定の基準を満たしているかどうかが審査され、承認された場合「ハラル認証」が付与されます。ハラル承認を受けた商品やサービスの多くは、パッケージの端や店舗の入り口等に「ハラル認証マーク」を付与したり掲示したりしています。

ムスリムは、この「ハラル認証マーク」が付いているか否かで購入を判断しています。特に、非イスラム国からの輸入品や、多数の原材料を盛り込まれた食料加工品などが流通する今日では、原材料の特定が難しいため、ハラル認証マークはムスリムにとっての重要な購入判断材料となっています。これはサービス業、いわゆる「おもてなし」分野も同様です。レストランやカフェ、ホテルなども、ムスリムが快適にサービスを受けられる施設についてハラル認証を受けることができます。

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