新Apple Watch、使ってわかった飛躍的進化 AIが安全や健康をもたらしてくれる

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新しく追加されたInfographフェイス。8つのコンプリケーションを設定することができ、1つの画面で必要な情報をすべて確認できる(筆者撮影)

見た目は幾分先進的な腕時計だ。しかしその中に、徐脈・頻脈を検出できる心拍計、日々どれだけ歩いたのかがわかるアクティビティモニター、ウォーキングなどの計測もできるワークアウト機能、転倒検出機能、そして日本ではまだ有効化されないが、心電図がある。

これらの情報に異変が起きた際、家族が察知できる仕組みがあれば、家族の健康にまつわる安心感を、より大きく高めることができるのではないだろうか。

Apple Watchにはすでに緊急通報機能があり、救急救命室への連絡と同時に、指定した連絡先に緊急を知らせるメッセージと位置情報が送信される仕組みを備えている。これは転倒を検出し1分間操作がなかった場合にも同様の仕組みが用いられる。

また、アクティビティを家族などで共有することで、どれだけ運動しているかどうかもわかる。たとえば筆者はアメリカに住んでいるが、日本の両親の日々の運動を共有している。家族と消費カロリーやワークアウト時間を競うというコンテクストも自然でいい。もっとも、筆者よりよっぽどアクティブで、監視されているのは筆者のほうかもしれないが。

すでに条件は整っている

ただし、もっとオプションがあってもいい。

心拍の異常などを検出した際、家族への通知があれば、より早い対処ができるかもしれない。もちろん、完全な監視を望んでいるわけではないが、救うことができる可能性を最大化するためのオプションを、アップルはより追求すべきだ。

これまでアップルは、個人の健康や医療にかかわるデータをiPhoneに安全に格納する仕組みを整えてきた。iMessageやFaceTimeはエンドツーエンドの暗号化が施されており、安心してそうしたデータを家族間で送ることもできる。すでに、アップルにしかできない条件は整っているのだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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