若い女の子がチヤホヤされる「日本的な事情」 坂東眞理子「私がいま考える、女性の美学」

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たとえば、職場の女性の後輩との付き合い方。

「最近の若い子は、私たちと違うわね」という違和感、「どうしておじさんたちはこんなに若い子が好きなのかしら」と思った経験はほとんどの女性がもっています。

若ければ若いほどいいというのは、芸能界やメディアの世界だけでなく、おそらく一部の接客業の世界では当たり前なのでしょう。でもその世界では当然としても、仕事をする職場でも仕事もろくろくできない若い女性をちやほやするのはおかしいじゃないか。

ところが職場の男性たちは若い女性のミスには寛大で、年長の女性には冷ややかで厳しい。「私たちは若さで勝負しているのではなく、仕事の能力で評価されたいと願っているのに」と言いたい女性は、山のようにいるのではないでしょうか。

まったくの正論で私も30~40歳の頃はそう思っていました。しかし私の年になると、若い女性をちやほやした職場の男性の気持ちも少し理解できるようになりました。

「オトコってそうなのよ、若い子ならだれでもいいんだから」と決めつけてしまわず一緒に少し考えてみましょう。

若い女性がチヤホヤされる3つの理由

なぜおじさんたちは若い女性社員をチヤホヤし、中堅女性社員を煙たがるのか。

まず第1の理由は男性たちの多くが女性との付き合いに”慣れていない”ことです。慣れていないので、見た目がかわいいか、態度が素直か、言葉が丁寧か、礼儀正しいかなどの表面的な態度や物腰で判断してしまいます。

同じく若い未熟な社員でも、男性ならばそんなミスをするなんてだめだろう、甘えていては伸びないぞ、と言えるのに(今はパワハラといわれるから男性にもストレートには言えないかもしれないけれど、心ではそう思っています)女性には「そうだね、むつかしいもんね」とか「次から気をつけて」とやさしく対応してしまうのです。

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