ホーキング博士が遺した逆境に打ち勝つ思考 76歳で死去、車いすの天才の未来を拓く言葉

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行き詰っても、逆上するのはよくない。
そんなときは頭でその問題を考えながら、別の作業をするといいのだ。
ときには、前に進む道を見つけるのに数年かかることもある。

どんなことでも失敗なく成功し続けることはありえない。重要なことは、失敗や物事に行き詰まった時、どのように対処できるか、だ。困難にぶつかった時、その人の人間性が現れる。

一つのことを成すために、人生の大半を費やすこともある。いや、専門家、匠と言われる人はみんな、人生の大半を、一つの分野に費やしていることだろう。もし、あなたが、抜けきれない迷路に入ったならば、逆上し、そこに座り込んでしまうのかもしれない。

そんな時こそ、焦らず、慌てず、冷静になることが大切だ。諦めるのではなく、休息をとる。人生を賭(と)してやり続けるためには必要なことだ。

たとえ、問題解決のために何年、何十年かかったとしても気にすることはない。ホーキングは、ブラックホールを研究するのに29年も費やしたのだから。

人生に生きがいを与えるものは何か

決して仕事をあきらめてはいけない。
仕事はあなたに意味と目的を与える。
もし仕事がなければ、人生は空虚なものだ。

仕事をする上で、誰しも何かしら、悩みや問題を抱えているだろう。だからといって途中で諦めてはいけない。問題と真摯に向き合い、一つひとつクリアしていくことが自身の成長につながる。

『ホーキング 未来を拓く101の言葉』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

どんな難題を突きつけられても決して逃げてはいけないのだ。

また一見、重荷になるような仕事だとしても、ある方がよい。なぜなら、仕事は人を成長させ、人生に生きがいを与えてくれるからだ。

想像してみてほしい。

朝起きて、何ひとつやるべきことがない人生と、問題が山積し忙しいが生活に張りがある人生。

どちらがよいだろうか。

もちろん問題が山積している状態は嬉しくはないだろうが、その忙しさが、生きる意味を教えてくれることもある。

桝本 誠二 クリエイターズアイ代表取締役

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ますもと せいじ / Seiji Masumoto

1973年生まれ。広島県出身。米国留学を経て雑誌編集者へ。その後、書籍出版社に転職し、書籍の編集に従事する。ノンフィクション、時事関連の書籍編集部編集長を経て、ビジネス書系出版社へ転職。現在は、ビジネス書、ノンフィクション書籍の執筆・編集のほかに出版プロデュース、出版コンサルタント・セミナー、企業コンサルタントを行っている。著書に『ホーキング 未来を拓く101の言葉』(KADOKAWA)、『課長・部長のためのビジネス戦略の基本』『図解&事例で学ぶ問題解決の教科書』(共にマイナビ出版)、『広島カープの「勝ちグセ」戦略』(ぶんか社)がある。

 

 

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