「就活生への心ない発言」が頻発する採用現場 「身の丈就活を」「恋人の有無は」と平気で話す

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4.学歴に対する差別発言

差別発言は当事者を傷つける。傷つく理由は、努力では変えられない属性を攻撃されるからだ。いろんな差別があるが、まずは学歴差別から紹介しよう。

「他大学合同模擬選考会で、人事の人が『君たちは上智や早稲田と違ってレベルがそこまで高くないから、この練習で頑張るしかないんだよ』と言われたことです」(昭和女子大学・文系)
「身の丈就活がいいということを言われた」(福島大学・理系)
「○○大学出身の人に、愛媛大学が最低ラインだと言われた」(愛媛大学・理系)

就活の現場では差別発言が蔓延

5.「女子は事務職しかない」と頭ごなしに言う

女子の場合は、事務職と総合職に関する差別発言が多い。

「女子は事務職しかいらないんだよねー」(大分大学・文系)
「なんで女性の多い事務職じゃなくて営業職を希望したんですか? という質問」(昭和女子大学・文系)
「総合職に女子はあまりいらない。という言葉」(日本女子大学・文系)
「女性総合職はまだ少なく、もしかしたらお客さんに差別的なことを言われることがあるかもしれません」(東京外国語大学・文系)
「企業ではなく就職コンサルタントの人から言われた。要項には男女について書いていなくても、実際には女性が落ちやすくなっている」(東京都市大学・理系)

​女性を評価する企業もあるが、言葉はややきつい。「男性はバカ、女性は賢い」(愛知学院大学・文系)のだそうだ。女性の雇用に大きな転機をもたらしたのは、1985年成立の「男女雇用機会均等法」だが、この頃でも「試験の成績だけなら女性が上。入社しても女性はすぐに役立つが、男性は育てるのに時間がかかる」と、あるメーカーの人事が話していたことを覚えている。

6.敬語無し。チャラい若者言葉でふざける人事

初対面の人間と話すときは、敬語を使うのが社会人の常識。相手が年下の学生であっても、ぞんざいな言葉づかいは避けるのがルールだ。ところが、知性の感じられない若者言葉を使う、社員や採用担当者がいる。

フレンドリーな進行にしたいと考えているのかもしれないが、学生はリクルートスーツに身を包み、緊張して就活に臨んでいる。チャラい人事に会ってびっくりし、志望度を下げる学生は少なくないと思う。

「若い人事の若者言葉。たとえば、ヤバイ、語尾のーーっす」(岡山大学・理系)
「○○の説明会での若手社員は最低でした。勝手にコンパ、合コンの話を始める。自分は外大だから計算苦手と、平気で口にするなど、終始ふざけておられました」(立命館大学・文系)
「具体的な言葉はないが、人事の文系出身によくみる言葉使い、語尾の敬語の無さにていねいさを感じられない」(東海大学・理系)
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