AI時代を生き抜くための「勉強法」とは何か 弱点を突いて生き残れ!

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こうした勉強をすることによって、使える知識が身に付けられるほか、「抽象化力」が鍛えられ、仕事が「デキる」人になります。AIにできないことができるため、「AI時代」でも生き残れるのです。

ただ、「勉強に使えるおカネもないし、する時間もない」という人がいるかもしれません。でも心配はいりません。もしあなたが「おカネがない」「時間がない」状況であっても、効果的な勉強はできます。というのも、私自身がそうだったからです。

「おカネがない」から効果的な勉強ができた!

30年以上前になりますが、私の高校時代、父親がガンで入院していたため、家計はかなり苦しい状況でした。当時通っていた私立高校は奨学金を借りることでなんとかやめないですみましたが、塾や予備校に通うことはもちろん、受験のための参考書や問題集を買うおカネにも不自由をしていました。

ただ私の場合、この「おカネがない」ことが、効果的な勉強を可能にしてくれたのです。勉強する対象をあれこれと広げることなく、数少ない教材を徹底的にくり返すことで、情報や知識を徹底的に使いこなせるようになったのです。

たとえば、「世界史」の勉強は、学校で使っていた教科書を日々くり返し読むことが中心でした。目指していた東大文科Ⅱ類には論述試験があったので、その対策として通信添削を受けていたのですが、答案も百科事典を補助に使う以外はすべて教科書をもとに書いていました。

その結果、ほぼ毎日、教科書を読んでいたため、単に知っているとか、覚えているとかのレベルではなく、そこに書かれている知識を本当に自分の道具として使いこなせるレベルにまで記憶・理解できるようになりました。

本文を読みながらそれが全体のどの部分なのか意識できる、見出しを見ただけで本文が思い出せる。つまり、自由に抽象と具体を往復できるようになっていたのです。

塾や予備校に行ったり、たくさん参考書や問題集を買ったりして、手を広げていたとしたら、そこまでひとつの教材を読み込むことはなく、ただ知っているとか、覚えているとかのレベルにとどまっていたでしょう。

「おカネがない」という制約が、少ない教材を徹底的にくり返すことにつながり、結果的に抽象と具体をつねに往復し、「抽象化力」を鍛えることになったのです。

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