「モラハラ夫」と離婚した38歳専業主婦の決断 最初はおカネがなくても、必ず離婚はできる

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そこで、B子さんが夫から受けていたモラハラ行為を聞いてみると、結婚して以来、ことあるごとに、夫から「お前は本当にバカだ、何をやらせてもできない」と言われているそうです。また何時間もしつこく説教されたり、問い詰められたり、時には反省文を書かされたりしたとのこと。さらに「夫の機嫌が悪いと家から締め出されて中に入れない」「実家や友人、アルバイト先の同僚などとの付き合いを制限される」「アルバイトそのものを制限される」「外出する際は、許可が必要」などということもしばしばあるのだそうです。

モラハラなのに、意外に気づきにくい理由とは?

たとえば、何時間もしつこく説教されて問い詰められることになったきっかけは、「夫が電話したときB子さんが3秒以内に電話にでなかった」「夫と食事をしているときに電話にでた」というささいなことばかりです。B子さんとしては夫の地雷がどこにあるのかわからないので、夫の一挙手一投足につねに敏感になっている必要が。ひどいときには、お説教のあと、何週間も無視されることもあり、本当につらいということです。

こうした行為が日常的に繰り返されれば、心が次第に病んでいくのは当然でしょう。しかしやっかいなのは、「怒りの原因はすべて妻が悪いから」というモラハラ夫独自のロジックです。それにより、妻を完全に支配下に置こうとするので、弱い妻だと「私のせいで夫を怒らせてしまった。私はダメな妻だ」という思いにかられてしまうのです。ですから、なかなか自分がモラハラにあっているとは気がつかないわけです。

そして、もうひとつ長年モラハラに気がつけないのは、モラハラ夫はつねに不機嫌ではなく、優しいときはとても優しいという性質があるからです。B子さんも「夫はいつも不機嫌なわけではないんです。怒り狂ったあとは、しばらくとても優しいんです。ですから『きっと私が悪いからこうなってしまうんだ、もっと努力をしなくては』と思い、かれこれ10年も経ってしまったんですね……」

本格的な仕事をすることを許されず、友人や親戚との付き合いもたまにしか許されなかったので、相談相手もいないまま、密室でイジメを受けていたのと同じような状況だったのかもしれません。

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