子どもに菓子を与えまくる親が知らない真実 勉強や習い事の前に「食事内容」を見つめよう

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不妊症の要因となる排卵障害にも、血糖値が関係しています。

食後の血糖値が150㎎/dlを超えると、血糖中の糖によって体内のタンパク質が「糖化」し、AGEs(終末糖化産物)という老化促進物質ができてしまうことをご存じでしょうか。AGEsは蓄積型なので、一度つくられると体内から除去することができません。

AGEsが卵巣の卵胞液にたまると、透明な卵胞液が茶褐色に変わり、卵巣機能の低下につながることがわかっています。また、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸も摂取するほど不妊のリスクが高まるとハーバード大学のウォルター・ウィレット教授の研究で報告されています。

女の子の体は、子どものうちから、お母さんになる準備を始めています。お菓子やジュースからの「糖のとりすぎ」に気をつけ、勉強や習い事に向かうパワーやスタミナを与えてくれるビタミンB群や鉄分はしっかり与えてあげましょう。

今日からできる20年後に後悔しない食べ方

1日に魚、肉、大豆製品、卵、乳製品の5大タンパク質をとるのはもちろん、緑黄色野菜は5種類以上、淡色野菜は8種類以上食べるのが理想的です。

『成功する子は食べ物が9割 ー 幼児・小学生ママ必読! 冷蔵庫の中身がカラダの中身。』では、年齢別の適量(1日の食材の目安量)をビジュアル化しています(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

今が忙しくて大変だと、食べ物が子どもの将来に与える影響まで想像できない、調理に手間をかけられないのかもしれませんが、子どもの成長期に向き合っているのは、ほんの10年、15年なのです。

思春期を過ぎると消えてしまう、身長を伸ばす役割をする部位もあり、「あのとき、栄養が足りなかったせい」と後悔しても、取り戻せません。

「メニューがワンパターン」「食事作りがままならない」ときでも、カットわかめや高野豆腐をみそ汁に入れて、栄養をアップさせる方法があります。いつものハンバーグに買い置きしたサバ缶を混ぜ込んで、DHAを強化するレシピもあります。あの手この手で、成長期に必要な栄養をとることは可能です。

細川 モモ 予防医療コンサルタント、一般社団法人ラブテリ代表理事

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ほそかわ もも / Momo Hosokawa

両親のがん闘病を機に予防医療を志し、渡米後に最先端の栄養学に出合う。栄養アドバイザーの資格を取得したのち、2009年に医師・博士・管理栄養士など13種の専門家が所属する「ラブテリトーキョー&ニューヨーク」を発足。母子の健康向上を活動目的とし、食と母子の健康に関する共同研究を数多く手掛けている。近著に『成功する子は食べ物が9割』(主婦の友社)。

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