佐川氏証人喚問の中身があまりにも酷すぎる 誘導質問、粗い質問、そして答弁拒否…

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時間が少なすぎたのは、小池氏以外の質問者も同じだ。日本維新の会の浅田均参議院議員は10分、希望の会の森ゆうこ参議院議員、立憲民主党の福山哲郎参議院議員、無所属クラブの薬師寺みちよ参議院議員の持ち時間に至ってはそれぞれ6分に過ぎなかった。

午後の衆議院で行われた証人喚問でも、佐川氏の“逃げ切り戦法”は変わらなかった。しかし安倍首相と昭恵夫人の関与については明確に否定。近畿財務局の職員の自殺についても、「亡くなった経緯について一切承知していない」と断言した。

答弁拒否の権利が濫用されていないか

野党が佐川氏に対して「決め手」となる材料を持っていなかった点も、佐川氏を逃がしてしまった原因のひとつだろう。さらに日本維新の党を除く野党は森友学園問題についてチームを結成し、合同でヒアリングを重ねてきたゆえ、質問方法や時間についてうまく連携すれば、もっと効率的に行えたのではないかとも思われる。証人喚問を終えた今なお、胸の中のモヤモヤ感が依然として消えない国民が多いのではないか。

(写真:ロイター/Toru Hanai)

そもそも証人喚問は憲法が衆参両院に保障した国政調査権のひとつでもある。その証人は議院証言法に基づき、自己または一定の範囲の親族、後見人などが刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのある場合は、宣誓、証言あるいは書類の提出を拒むことができるが、その一方で、正当な理由なく証言を拒んだ場合、1年以下の禁錮または10万円以下の罰金に処されうる。

4時間余りの証人喚問の中で50回以上もの答弁拒否の全てが違法とはいえないだろうが、その権利が濫用されたのなら民主主義に反するものに他ならない。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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