日本のトイザらスが米国と違い大健闘のワケ 米国はアマゾン効果よりもLBOの負担で自滅
――日本ではやるべきことができていますか。
日本は米国とは違う。運営する161店で顧客に集中できている。
私は昨年9月の社長就任前に各店舗を回ったが、お客様に商品の説明ができる知識を持ったスタッフがいる。財務体質も良好だ。この先3年間で無借金になる可能性もある。
新規出店やリニューアルといった投資も日本法人が独自に行える。日本でも、アマゾンだけでなく家電量販店なども玩具を扱っており、米国同様に競争は激化している。だからこそ、子ども達が遊びやすい店、買いやすい店にする努力を続ける必要がある。イノベーションを怠れば負けてしまう。
イノベーションで商品の回転効率が向上
――店舗のイノベーションの具体例が港北ニュータウン店ですね。
どこにどんな玩具があるかをよりわかりやすくした。棚の上から玩具を取るのにはしごが必要だったが、今は子どもの目の高さに商品がある。プレイテーブルを増やしたことで楽しく遊んでもらえる。
こうした新しい店作りの考え方はアジアで共通している。シンガポールや香港、上海の店舗を参考にベストなやり方を日本に移植した。今後は日本のやり方をアジアで発信していくことになる。
――港北ニュータウン店のリニューアル効果を数値で教えてください。
昨年9月以降、来店客数も売上高も増えている。具体的な数値は言えないが、ベリーハッピーなパーセントだ。
――棚を低くしたことで店頭の商品数が減りますが、アイテム数を減らしたのですか、1アイテム当たりの商品数を減らしたのですか。
両方だ。商品数は減少したが、商品回転率は向上した。同時に物流も見直している。物流だけの効率性を考えるのではなく、店をサポートするための最適な物流という考え方で改革している。
――客の利便性は落ちませんか。
店頭にiPadを設置し、店にない商品はその場でオンラインでオーダーできる。スタッフがお客様の相談に乗りながらご案内することが多い。いわゆるロングテールはオンラインでの対応が適している。
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