「就職力」の強い大学トップ100ランキング 約2000の進学校の進路指導教員が評価

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伝統ある総合大学でなくても、学生の育成力と就職支援がリンクしている大学も、上位に顔を出す。2位の金沢工業大学は進路指導教諭対象のアンケートで、「面倒見が良い大学ランキング」で13年連続トップ、「教育力が高い大学ランキング」、「入学後生徒を伸ばしてくれる大学ランキング」でも上位に入っている。就職力のベースとなる優秀な学生を育成する力が、就職支援と相まって「就職に力を入れている」という評価につながっているようだ。

もちろん、就職支援も充実している。金沢工業大学は地方にありながら、大都市圏に本社を置く大企業に強く、2017年卒の学生の6割近くが、大手・上場企業に就職している。そうした実績の背景には、東京や名古屋、大阪、仙台などで就活を行う学生のために運行する、就職支援バスがある。多くの大企業の本社機能が東京や大阪に集中する中、地方の大学ではこうした支援が欠かせない。16位の福岡工業大学も、就活のための交通費支援を行っている。

地方の大学にも就職支援で高い評価

6位の産業能率大学も、金沢工業大学と同様に、「面倒見」、「教育力」、「生徒を伸ばす」の3項目で上位に入っている。アクティブラーニングに先駆的な取り組みをしてきた大学として認知されている面も大きいようだ。日本大学や12位の東京理科大学、28位の武蔵大学も、前述の3項目で上位に入っている大学だ。こうした大学は、優秀な学生を育てて効果的な就職支援を実施していることが、評価されているのだろう。

近年、高い就職実績を残している大学も、就職に力を入れている大学として評価されつつある。5位の九州工業大学は、就職先のトップが本田技研工業で次位が三菱電機と大企業が並び、九州大学と比較しても遜色ない。同大学は、2007年の調査で50位以内に入っていなかったが、就職力の認知が進み、ランクアップを果たした。卒業生が1000人以上の国立大学の中で、9年連続就職率ナンバーワンの福井大学も7位に入っており、同様のことがいえる。女子大では、卒業生1000人以上の女子大の中で、7年連続就職率1位の昭和女子大学が21位に入っている。

大半の大学が入学時からのキャリア支援に力を入れ、実際の就活におけるエントリーシートや面接対策など、ひと通りの支援を行っている。そうした中で、「就職に力を入れている大学」として評価されている大学は、高い就職力という実績の根拠を伴っているのが共通点だ。

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