初対面の人でも一瞬で打ち解ける3ステップ 相手の目を見て挨拶し、名前を呼んでみよう

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まず1つ目のステップが「アイコンタクト」です。

相手の目をしっかり見て、「私はあなたと向き合っています」と態度表明するのです。目をそらしていると、相手は無視されているように感じますから、もし視線をダイレクトに合わせるのが恥ずかしかったら、銀行営業の仕事を始めたばかりの私がやっていたように、おでこや鼻の頭を見るといいでしょう。

2つ目のステップが「あいさつ」です。

じっと目を見ただけでは、「へんな奴」「俺にガンをつけているのか」と誤解される恐れがあるので、すばやく、はっきりとした声であいさつをします。「こんにちは」「おつかれさまです」といった、ありきたりなものでも、実際に声に出すか出さないかで大きな違いが出ます。「私はあなたに心を開いています」というアピールです。

そして3つ目のステップが相手の「名前を呼ぶ」こと。

名前はその人固有のもの。それを呼ぶという行動には、相手との距離を一気に縮める絶大な威力があります。それまで一般的な関係だったものが、名前を呼んだとたん、1対1の親密な関係に変わるのです。

「アイコンタクト」「あいさつ」「名前を呼ぶ」。

この3ステップを踏むことで、どんな相手ともオープンで友好的な関係をつくる糸口がつかめます。

高校時代に出会った「人づきあいの達人」

この3ステップの効果に気がついたのは高校生のときのある出来事がきっかけでした。学校にイタリア語の女性教師がいました。私がサッカーが得意だと聞きつけて、いつもひとりで昼食をとっている私を「ランチに行かない? サッカーの話、聞かせて」と誘ってくれたのです。

学校のそばにあるカフェに入ったのですが、彼女の見知らぬ人に対する対応のあまりのオープンさに衝撃を受けました。

たまたま席が隣り合っただけのおじさんとも、目線を合わせながら「チャオ!」と全力の笑顔で挨拶します。「知り合い?」と聞くと、「ノー、全然」とあっけらかんと答えるので、シャイで用心深かった私のほうが内心「『ノー』じゃないだろ。変なやつだったらどうするんだ」とはらはらしました。

それでもランチが終わるころには、隣のおじさんとファーストネームで呼び合うほどすっかりうちとけていました。それだけでなく、周辺にいた他のお客さんたちもまきこんで、みんなで盛り上がっているのです。

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