目標達成できない人は課題の分解ができない 楽天で学んだ商材の最も魅力的な伝え方

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ステップ④で日付を決めて粛々とやる際に重要なのは、PDCA(Plan-Do-Check-Act)のサイクルを意識して、それを高速に回してやり切ることが必要です。

これらの入り口が因数分解なのです。数値目標に対して因数分解ができれば50%は解決したも同然。なぜなら課題が見えれば後は施策を考えて実行するだけだからです。

これ以外にも楽天で学んだ目標達成に必要な考え方があります。楽天には、楽天大学という部署があります。楽天大学は、主に楽天市場の出店店舗向けに、インターネットで商品を売るためのさまざまなノウハウを講座として提供しています。現在では、オンラインクラスといった形に進化しているようですが、私が楽天市場に在籍していた頃は、楽天のオフィス内で講座を開いており、店舗さんに会社までお越しいただいていました。

この楽天大学にはさまざまなクラスがあります。それぞれマーケティングの基本をしっかりと押さえたオリジナルカリキュラムで、一方的に知識を教えるというよりも、今でいうコーチングのメソッドが使われています。そのため楽天市場の店舗さんに受講いただくと、「目からウロコ」とおっしゃる人たちが続出していました。

数ある講座の中に、「魅力的な商品ページのつくり方」という講座がありました。ネット販売において、商品の記載されているページは、お店でいうと、接客の場です。

FABとは

そこで楽天大学ではFABという考え方を教えています。FABとは、「Feature(特徴)、Advantage(差別化)、Benefit(その商品の先にあるメリット)」の頭文字を取った略語で、これらの情報をしっかりと商品ページに載せましょう、というのが1つのポイント。ただし、ほかにも重要なポイントがあります。

それは、このFABの何を優先させるかです。Benefit、Advantage、Featureの順番で考えることがキモなのです。

ページ上でいきなり「他より安い」「商材の質がダントツ」(Advantage)、「とても軽い素材を使っています」(Feature)などの差別化ポイントや特徴をアピールする前に、その商品を購入した先にあるメリット(Benefit)を伝えるのが最優先ということです。

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