理系採用数が多い企業トップ100ランキング 「リケジョ」が多いのはドラッグストア業界

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理系採用者数トップはホンダ。写真はホンダの人気車種「N BOX」(撮影:尾形文繁)

今年も就活市場が熱くなる時期がやってきた。3月1日から、2019年4月入社の新卒を対象としたエントリーシートの受付が本格化する。企業の採用意欲は高い状態が続く一方で、「売り手市場」が続いていることもあって学生側にはかつてのような焦燥感や悲壮感は見られないようだ。

特に理系の学生は文系の学生に比べて就活への取り組み意欲が低い傾向にある。理系の学生の場合、専門の研究分野の業種に絞って就職活動を行うため、幅広い業種への就職を試みないというのも影響しているだろう。

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では、理系学生は最終的にどんな就職先を選んでいるのか。

弊社刊行の『就職四季報』では文系・理系別の採用者数を調査している。最新の『就職四季報2019年版』が2017年7月から8月に実施したアンケートをもとに理系学生の2018年入社内定者数の多い会社ランキングを作成。アンケート回答のあった1293社のうち、理系の学生を1人以上採用した企業は1009社。未回答の会社はランキングの対象外とし、今回はこの中のトップ100社のランキングであることに留意されたい。

1位は創業者もエンジニアのホンダ

ランキングの1位はホンダで、調査時点で理系学生428人の採用が決まっている。最終的な採用予定人数は合計560人を見込んでいて、うち500人が理系となる。自由闊達に議論をする「ワイガヤ」文化も健在。現在は自動車に関連する自動運転や人工知能等の先進技術の研究開発も加速させている。ちなみに、ホンダは2月20日に発表した『最新!「有休取得率」の高い300社ランキング』でもトップとなっており、こちらは7年連続だ。

同様に理系学生が自動車関連メーカーに就職する例は多く、自動車部品メーカーのデンソー(ランキング3位、371人)、三菱自動車(10位、219人)も上位に入った。なお、トヨタ自動車は、アンケート調査時点では2018年採用予定人数の回答を得られなかったので、ランキングに入っていないが、2017年度実績では551人の理系学生を採用。2018年も同程度の人数の採用を見込んでいるため、理系学生の就職者数でトップクラスであることは間違いない。

また、ランキングでは理系の採用者数に加え、理系の女性(リケジョ)の採用者数についてもランキングに加えた。理系人材の採用が多い会社の中でも、女性比率の高い企業には薬剤師の採用の多い薬局・ドラッグストア業界の企業が目立った。2位のスギ薬局(420人中290人が女性)や6位のマツモトキヨシ(285人中147人が女性)がその代表だ。

ランキングは採用数の多さで順位付けしているので、採用人数の多い大手メーカーが上位に並ぶ。併載した理系割合に注目すれば、理系採用をどれだけ重視しているかがわかる。上位100社で、理系比率が最も高かったのは、大手半導体メーカーのルネサスエレクトロニクス。内定者のうち93.2%が理系だった。入社後はエンジニアの多くが主力の車載用半導体等の研究・開発に取り組むこととなる。

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