
マイ弁当箱でフードロスとプラスチックゴミを解消!
学生アイデア お弁当DROP&GO
コンピューター科学専攻
徐 立元さん
自炊が馴染まない一人暮らし男性の食生活と、フードロスやゴミ問題を同時に改善するべく編み出されたアイデア「お弁当DROP&GO」。
ターゲットは、独身男性。働き盛りで多忙な毎日を送るがゆえに自炊もままならず、食生活はコンビニ弁当で済ませることがほとんど、たまに食材を買っても消費しきれず栄養管理も得意ではない人物だ。
そうした男性にとっての使い勝手の良さを考えた「お弁当DROP&GO」は、極めてシンプルな仕組み。まず、出勤する際に、"マイ弁当箱"を自宅近くの弁当屋や惣菜店に預ける。通常は、プラスチックなどの弁当容器に中身を詰めるところだが、その代わりに"マイ弁当箱"に夕食分の食事を詰めて販売。弁当箱は食事後に自分で洗い再利用する。

「事業者側としては、プラスチック容器分のコストが下げられるだけではなく、"マイ弁当箱"を預ける時点で事前注文になるため、販売する弁当の個数をより正確に把握することができるため、メリットが大きいと考えられます」(企画者・徐立元さん)
利用者の満足度向上、事業者コストダウン、そして社会全体としてはフードロスやゴミ排出量低減へのアプローチが期待できる、三方良しのビジネスモデルだと言えるだろう。

ICTを活用してみんなの食料庫を作る!
学生アイデア「STORE HOUSE」
食べられる食品を廃棄する、いわゆる「食品ロス」。日本国内で621万トンと試算され、うち282万トンは家庭から出ている。食品ロスの内訳の一つが「食品が中途半端に余る」という状況。その打ち手として企画されたのが「STORE HOUSE」だ。
街の食料庫をイメージしたというSTORE HOUSEは、量り売りスタイルのスーパー。再利用できる容器を持参することで、予定しているメニューに必要な調味料や食材を詰めるサービスをウリにする。
また、ICTにより、スマートフォンなどからレシピに沿った材料をダイレクトにオーダーすることで、買い物もピックアップだけで済ませることができ、家事の時短にもつながる。
「食品ロスを防ぐためには、『買い過ぎない』『使い切る』『食べきる』がキーワードになると考えました。STORE HOUSEというソリューションが社会に浸透することで、将来的に個人の行動変化にもつながるはずです」(企画者・廣瀬遙さん)

たとえば、滅多に作らないメニューのためだけに調味料を買い揃えたとしても、使い切る前に賞味期限切れになって廃棄することになると懸念し、選択肢から外してしまいかねない。しかし、STORE HOUSEの存在によってメニューへの挑戦意欲をかき立てられるかもしれない。個人レベルに求められていた心掛けを具体的なサービスに結びつけたアイデアである。

学生のアイデアは世界を変えられる?
濱川明日香
ボストン大学卒。太平洋島嶼国における気候変動研究でハワイ大学大学院修士号取得。2014年にダライ・ラマ法王が人道的支援活動家を讃える「アンサング・ヒーロー賞」を受賞。一般社団法人アース・カンパニー創設者。
食品ロスを国民一人当たりに換算すると、1日お茶碗約1杯分(約134g)の食べものを無駄にしている計算だ。もったいないだけではなく、ゴミを出すため環境問題にも直結する。解決のためには、個人のCOOL CHOICEによって食品ロスを減らすことが不可欠。そこで生まれた学生2組のアイデアを、ゲストコメンテーターの面々はどのように受け止めたのだろう。今回は、爆笑問題の2人のほか、社会起業家であり、一般社団法人アース・カンパニーの代表である濱川明日香氏にも、ビジネスの実現性という視点で話を伺った。
学生アイデア「お弁当DROP&GO」
お気に入りのお弁当で美味しくエコを!
自分の好きなお弁当箱で食べることができれば、毎日のご飯がより美味しく感じられると思います。また、プラスチックゴミを出さないことで、資源を無駄にしているという負い目からも解放されるはずです。

プラスチックゴミを出さないためにDROP&GOを利用する人は実際少数派だと思うので、例えばICTで利用者の栄養状態を踏まえたお弁当を提示する栄養管理ツールとするなど、サービスの利点をもう少し訴求してみてはいかがでしょうか。(濱川明日香)

昔、ファストフード店やコンビニのアルバイトで、食品の大量廃棄を目の当たりにしてきたので、すごくいいアイデアだと思います。ただ、面倒くさがりでその日暮らしの独身男性にとっては、朝お弁当箱を出して夜それを食べるということすら難しいかも。(田中)
学生アイデア「STORE HOUSE」
料理好きの女性に使ってほしい!
廣瀬 遙さん 石井馨子さん

毎日忙しいとメニューを事前に決めることが難しいことも考えられるので、ICTを使うのであれば、本人の好みに沿ったメニューを提案するレシピアプリと連動させて、そのレシピにある材料を簡単に事前予約できるといいかもしれませんね。(濱川明日香)

我々は自炊をまったくしないのですが、こうしたサービスがはやるといいなと思いました。ただ、きっちりした人は材料を余らせなさそうだし、怠惰な人にとってはハードルが高いのでは。コンビニが量り売り惣菜を売ればいいのかも?(太田)
アカデミックの枠を飛び超えたアイデアを生み出す
東大GCLプログラムとは?
東京大学が運営するプログラムで、産学官の各方面でグローバルに活躍するリーダーを育成する大学院教育プログラム支援事業。国内外で活躍する教員と産学官の参画のもと、専門分野の枠を超えた質の高い学位プログラムを構築・提供している。GCLが考えるリーダーは、情報および制度・経済の横串とグローカルな視点で現代の社会・経済システムの動態を理解し、本質的な問題や可能性を発見する能力と技術を有する人材という。これらのすべての能力を有する人材、イノベーション力を有する学生を育成するのが、GCLの目標だ。