優先席の劣悪マナーは看過できないレベルだ 若者も中高年も外国人も席を譲らない

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山手線のE235系(筆者撮影)
京王の5000系(筆者撮影)

この優先席、最近の新型通勤電車では減少の方向にあり、そのスペースにベビーカーなどを置けるフリースペースを設ける傾向にあるが、いつも込み合う山手線では2001年から1車両3席を6席に拡大し、さらに新型E235系では1車両9席と増席を図ってきた。中央線のE233系でも座席数を増やしている。

京王電鉄は、新型の5000系で大きく変化し、後退した。これまで1カ所4席だった優先席が3席になり、さらに座席数を減らしてフリースペースが増えたためだ。これはベビーカー、車いす対応スペースというが、この5000系では全体の座席数が2割減少しているから、フリースペースは混雑緩和のための「立ち席」というサービス低下が本音のようだ。

優先席は何歳からか?

さて、よく話題になることだが、その「優先席」は何歳から……。

あるSNSで、「私の歳になったら座りたい」という62歳の主婦の投稿を見つけたが、私の経験上、この年代の人たちは都合によって「年寄り扱い」を求めたり、あるときは「そんなに年寄りじゃない」と言ったりするように、使い分けがうまい年頃でもある。先だっても、京王特急で50~60代のグループ客が「おもいやりぞーん」を当然のごとく占有して大声で笑い、声高にしゃべっていた。この光景にまゆをひそめたのは筆者だけではあるまい。

年齢制限はしたくないが、筆者はあえて「優先席」の利用は70歳を過ぎてからと言いたい。都内在住の人はこの歳になると「シルバーパス」が発行されるから、その年齢が妥当だと思うのだが。もちろん70歳を過ぎてもバリバリ元気なお年寄りもいるから、ひとつの目安と考えたいところではある。

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