新型「Aクラス」、独自ハイテクは何が凄いのか 米シリコンバレーのハイテク企業に対抗
[アムステルダム 2日 ロイター] - ドイツの自動車大手ダイムラー<DAIGn.DE>は2日、新型「Aクラス」を発表した。独自のマシンラーニング(機械学習)や音声認識などのハイテク技術を搭載、こうした分野で先行する米シリコンバレーのハイテク企業に対抗する姿勢を示した。
新型Aクラスは音声認識や人工知能(AI)の技術を駆使した「MBUX」と呼ばれるダッシュボードシステムを装備。アマゾン・ドット・コム<AMZN.O>の「アレクサ」やアップル<AAPL.O>の「Siri」、アルファベット<GOOGL.O>の「グーグル・アシスタント」と同様に音声の認識してその意味を理解する。
また新型Aクラスは、新たな外観で車内は従来より広く設計され、高速道路で運転者を支援する半自動運転の機能も搭載した。
メルセデスは新型Aクラスの価格が現行モデルの最低2万4000ユーロ(3万ドル)から上がるかどうかには言及しなかった。だがダイムラーのディーター・ツェッチェ最高経営責任者(CEO)はアクセルなどの部品での費用節減が技術投資を相殺すると指摘、収益性は改善すると述べた。
自動車メーカー各社がハイテク技術の装備を競い合う中、スマートフォンなどとも重複する新サービスの最終的な収益性を巡って疑問が投げ掛けられている。ダイムラーも1日、2018年の利益は技術への投資によって伸びが抑えられるとの見通しを示している。
自動車メーカー各社、特に高級車を生産するメーカーは、自動運転やコネクテッド・サービスなどの分野で大手ハイテク企業の進出に抵抗している。
調査会社ガートナーのアナリスト、マイク・ラムジー氏は「グーグルやアマゾンの音声アプリが併存することは素晴らしいが、どの自動車メーカーも空調を制御する音声システムをアレクサにはしたがらない」と指摘した。
さらに同氏は、ダイムラーのシステムは「ハイテク企業との差を縮小する」ものであり、「宣伝された通りに作動すれば、メルセデスは新たな標準を打ち立てるとともに、実際にSiriやグーグルのように働く音声インターフェイスを独自に構築できるという希望を他の自動車メーカーに与える」と述べた。
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