大塚食品「ボンカレー50周年」で仕掛ける戦略 他社とのコラボ企画を積極的に推進

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最近ではさらに味の多様化が進み、ゴールドも、“オーソドックスな味わい”として認識されるようになっている。

「さらに具材にこだわったものや、とがったところのある品ぞろえも増やしてきています。デミグラスソースを強調したカレーや、500~1000円の価格帯のご当地カレーなどですね」(金子氏)

発表会では、松山容子さんもVTRでゲスト出演した(編集部撮影)

このように、発売当初1億食売れたボンカレーだが、嗜好の変化とともに人気が移行。そのため、2003年より今回ボンカレー50として発売されるまで、オリジナルのボンカレーは沖縄県での限定販売となっていたのだ。

沖縄ではなぜか、ゴールドよりもボンカレーのほうがよく売れるのだそうだ。本土ではボンカレーのパッケージと言えばゴールドのパッケージ “三重丸”だが、沖縄に行くと、発売当時そのままの、松山容子さんのボンカレーが店頭に並んでいるというのは一部のカレー好きには有名な話のようだ。

現代風アレンジを加えてはいるものの、味わいを踏襲したボンカレー50が、50周年記念に発売されることには大きな意味があると言える。沖縄限定商品、ということが前提とはなるが、元祖ボンカレーはブランドのなかでも、特に40~50代に人気が高い商品らしい。

「やはり、発売当時に子どもだった人にとって、『カレーならボンカレー』というイメージが強いのでしょう」(金子氏)

優しく、懐かしさを覚える味

発売前の商品を実際に試食してみた。確かに、給食やキャンプで作ったカレーを思い出させ、郷愁を伴う甘めで優しい味わい。子どもや高齢者なども安心して食べられそうだ。また、具材がかなり大きめで、特にじゃがいものもちもち感が特徴的だと感じた。なお、ボンカレーシリーズでは2015年にプレミアムシリーズの「The ボンカレー」で具材に国産野菜を使用し、2016年にはボンカレーゴールドの具材の野菜を国産に。現在はほぼすべてのボンカレーブランドで国産野菜を使用している。

「ボンカレー50」の調理例。沖縄限定ボンカレーに比べて、野菜と肉の量が増えている(写真:大塚食品)
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